アマチュア無線局における電波防護
電波防護に関する規制は、電波にばく露されることを意識しない一般の人々(一般環境)を保護するものであり、基準値を超える場所にその様な人々が容易に立ち入らないよう処置するものである。
しかし、基準値を超えている場所に出入りする全ての人々が電波にさらされている状況やその適正管理について認識し、かつ、免許人がその状況に応じた適正な管理が行えるのであれば対象外と解される。

 アマチュア無線局の免許人の家族はともに生活しているため、基準値を超える場所に出入りできないことはないが、免許人は、家族に対し、電波にさらされている状況の認識や適正管理について十分な説明を行い、家族自らも電波にさらされている状況の認識や適正管理について認識し、かつ、免許人がその状況に応じた適正管理を行う必要がある。

 この場合、家族の安全性を確保するため、今回の電波防護制度では規定されていないが、電波防護指針のなかにはこのような管理された環境で運用する「管理環境指針」があるのでこの指針の範囲内で運用することが望ましい。

 なお、学校や職場のクラブ局の場合のように、免許人が無線局の周辺に出入りする人全てに対して適正な管理が行えいない場合には、基準値を超える場所に容易に出入りできないように施設する義務がある。








一般環境」とは、人体が電磁界にさらされている状況の認識や適正管理等が期待できず不確定な要因があるケース(環境)を示す。一般の居住環境等において、住民が電磁界にさらされているケース等がこれに該当する。





管理環境」とは、人体が電磁界にさらされている状況が確認され、電波の放射源が特定できるとともに、これに応じた適切な管理が行える条件を示す。たとえば、電波を日常的に取り扱う環境(放送送信所、高周波加工所等)における作業者が、電磁界にさらされているケース等に該当する。





管理環境指針の電波強度(平均時間6分間)の指針値
周   波   数 電界強度の実効値
   E [V/m]
磁界強度の実効値
H [A/m]
電力束密度
S [mW/cm2]
10KHzを超え30KHz以下 614 163
30KHzを超え3MHz以下 614 4.9 f-1
3MHzを超え30MHz以下 1842 f-1 4.9 f-1
30MHzを超え300MHz以下 61.4 0.163
300MHzを超え1.5GHz以下 3.54 f1/2 f1/2/106 f/300
1.5GHzを超え300GHz以下 137 0.365
注1 fは、MHzを単位とする周波数である

注2 管理環境の基準値は、一般環境の基準値に比し、電界強度及び磁界強度で2.23倍、電力束密度で5倍大きな値となっている。