高尾山・陣場山の膝栗毛

                         御岳山へ

                     三頭山へ

 

高尾山頂(11月26日)

 

 

ケーブル駅に向う

 

ケーブルカー

『陣馬はいい』と、きく人 聞く人は応えた。何故良いのか聞いても、”さらっ”とした理由で本当に良い山かはよく分からない。そんな折、Tさんからこの山の提案があったので、二つ返事で受けた。彼は小さい頃高尾山には二度登ったと言うが、田舎から出てきた私は初めてだった。私の車を『和田峠』に置いて、彼の車で高尾山口に向った。

8時10分、凡そ40分かけて駐車場に到着、そこからケーブルの清滝駅に向う。朝のうすい陽が赤いモミジにさし込む、淡い幻想的な空間があった。然し、人の流れに任せたからだは立ち止まって カメラを構えるだけの強い意志を持っていなかった。15分間隔で出発するケーブルは調度出た後だった。次の8時30分を待った。

 

メグスリノ木とタコ杉

 

杉苗の寄進

ランナーがケーブルの脇で準備運動をしていた。このケーブルは相模大山に比較して最初は緩やかだった。しかし、車内放送で最大傾斜31度は関東のケーブルで一番急な登りと聞いて”あれ?”と思った。降りてからも初めてなので 、見るもの見るものみな興味が湧いた。

しかし、Tさんは登り優先でスイスイと進んで行く。私の興味、先ずは展望、暫く歩くと真赤なメグスリノキ、野草園傍のお店、森の図書館、タコ杉等などその都度立ち止まる。しかし、彼に迷惑は掛けられない。首をまわす程度にそれらを見ると、杉苗の寄進の札があった。

 

飯縄権現堂のモミジ

 
 

 

四天王門

 

飯縄権現堂

 

杉の苗木の寄進は都知事の石原さんが見たら何と思うのだろうか? また、途中に仏舎利搭があったらしいが気付かずTさんに引張られるままに歩いた。四天王門、仁王門と潜リ抜け薬王院大本堂へと到着した。

四天王右手のモミジが綺麗だった。ここでお賽銭を奮発して道中の安全を祈願した。さて、”薬王院”という文字に疑問が湧いた。昔、よく効く薬を信者に渡していたのかと思ったが、答えは何処にも書いてない。

 

高尾頂上手前

 

飯縄権現堂の階段を登る。ここは左側のモミジが鮮やかだった。 朱色の柱や壁と競っているかのようだ。9時5分、そこを抜けると少し登りになった。9時20分、いよいよ頂上である。道脇に露天があり、お年寄りが準備をしていた。聞こえよがしに、『こ れは高い』と前を歩く人が言う。

そんな事をここで言わなくても良いと思うのだが、何を期待して大きな声で話すのかが分からない。私は高いとは思わない。登りつめると、左右のモミジと真っ青な空、そして真白な雲がそんな嫌な気分を一掃させてくれた。夢中でシャッターを押したが、新しいカメラはそれに応えてくれなかった。空の色がイメージと違った。(一番上の写真)

高尾から見る富士山

       

更に進むと人が群がっていた。Mt.Fujiが見え、私と同類がカメラを構えていた。眺望が素晴らしく良い。9時25分この先からは幾分山歩きの気分になった。

下りになり折角ケーブルで稼いだ登りの貯金を少し使った。凡そ5分も歩くと色鮮やかなモミジがあった。ここでもリュックの三脚はそのままに、一瞬立ち止まってメモリーに記録した。(2段下の写真)

   

左には富士山が見え隠れする。9時40分、『大垂水歩道』とかかれた看板があった。迂回ルートが多いのもこの道の特徴だ。

9時45分木で土砂を止めた階段を登る。いよいよ城山頂上かと期待した。『一丁平園地』の標があった。ケーブルのランナーが既に居た。

   
   

それを登るとまた下りになった。富士山の中腹に腹巻のような雲が巻いて、ススキが光っていた。10時、右手に柿木が見えた。熟していると思うが、渋柿なのか実が付いたままだった。

アップダウンを繰り返す。足の遅い我々の後から、ランナーが飛脚よろしく抜き去り、更に足音がドタバタと聞こえてくる。先を急ぐ人たちがまるで古の街道を想像させるかのように通り過ぎる。

       

そして街道は、大勢の人に踏み固められて、粘土質の地表は朝露によって幾分湿っぽくなり氷の上のように靴底を滑らした。途中 『城山山頂近道』とかかれた方向に進む、残りは僅かだった。

10時5分、『大垂水、梅ノ木平』の分岐に差し掛かる。10時8分頂上到着。ここの頂はベンチが30脚以上もあり、丹沢では見ることの出来ない光景だった。

       

ここも古の街道にある茶店のイメージがした。この尾根が好かれる訳が分かった。 この山は『手ぶらでスキー』のようなフレーズで、『リュック不要で山歩き』がぴったりだった。これなら重い荷物も登山靴も要らなかった。小銭だけポケットにあればいい。

見晴らしも良かった。右手に相模湖、中央に富士山、左に御正体山や丹沢山塊,大山も見えた。 当日は風もなく、ルート20号に設置された温度計は2度程だったが、ここで上着は不要だった。更に膝栗毛は続き、今度は景信山に向う。

       

10時15分に出発、そこからは杉の林になった。10時30分、小仏峠が近いのか、山小屋があった。クリタケが美味しそうだが荷物になるので我慢をした。10時35分、少し下ると狸が『小仏峠頂上 560m』の標を抱えていた。その先も杉林だった。

11時、景信茶屋に到着する。ここもベンチが多い、見晴らしの良い先端に座った。今来た道を目で戻ってみる。ここから起伏が多く谷側になり陽当たりが悪いので、 少し早いが食事をする事にした。茶屋はナメコ汁、甘酒など種類も豊富だった。11時45分、茶屋を出発する。

       

赤松林を過ぎて明王峠へ向う、12時35分に堂所山到着。途中二ヶ所に正規ルートとバイパスがあるが、いづれも展望が良くない。これから行く人は後者を進んだ方が良い。堂所山もそうだった。 そこに居た陣場慣れした人が、これから先は登りは余りないと教えてくれた。

しかし、言葉以上に登りは多かった。12時50分底沢峠到着。この辺りも杉林で面白くない。13時奈良子峠へ到着した。ここは小屋はあるが営業はしていない。そして不釣合いな、花壇があった。13時10分に出発した。

       

左上に高い山が並んで二つ見えた。どちらが陣馬山か分からない。いずれにしても残り標高50m以上はあった。杉林と、木組みの階段を登ると、右手に黄葉した雑木林が見えた。

13時40分、更に登るとイロハモミジの紅葉が美しい頂上に着いた。一息入れてあたりを見回すと白い馬の象があった。何か変だった。13時50分和田峠に向って下山した。

   

<時間>

〜(分)〜〜(分)〜〜(分)〜〜(分)〜 〜(分)〜〜(分)〜〜(分)〜〜(分)〜〜(分)〜

合計 時間分

@ケーブル終点 〜 高尾山(599m) 30分
A高尾山 〜 城山(670m) 60分
B城山 〜 景信山(727m) 60分
C景信山 〜 堂所山(731m) 50分
D堂所山 〜 陣場山(855m) 80分
E陣場山 〜 和田峠 20分

<標高>

(100m)〜(521m)〜(602m)〜(633m)〜(747m)   

合計標高差 約m 距離km

<場所>