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セクシュアルハラスメント

 5.被害者への二次加害

とても悔しいことに、セクシュアルハラスメントや性暴力は、通常の暴力事件とは違って、
被害者が誰かに相談をしたり、その後、事実確認をされる過程で、被害者の落ち度が
問われやすいのです。

強盗に遭った人に、「どうしてそんなところに行ったの?」とか、
「どうしてお金を持っていたの?」「強盗なんてそんなもんだよ」などとは言わないのに、
それと同じようなことを簡単に言われてしまうのです。

加害者の言動よりも、被害者の言動が問題視されてしまったり、事実とは直接関係のない
プライバシーが詮索されたり、暴露されたりすることもあります。

たとえば…

女性側に問題があると責める

 「どうして逃げなかったの?」「あなたにもスキがあったんじゃないの?」
 「あなたの方が挑発したんじゃないのか」 など

抗議する姿勢を非難する

 「あなたの『被害妄想』なんじゃないの?」「それって、本当のこと?」
 「単なる別れ話のもつれなんじゃないのか?」 など

加害者を擁護する

 「まさか。あの人がそんなことをするとは思えないよ」「男なんてそんなもんだよ」
 「相手にもそれなりに理由があったんじゃないかな」 など

当事者の気持ちを無視した励ましやアドバイス

 「あなたよりひどい人もいるよ」「もう、忘れなさい」
 「もう、立ち直ってもいいんじゃないの?」 など

その他、興味本位のうわさなど

 「あの人はセクハラ相談をしたらしいよ」 など

          

 ここにも、「性規範のダブルスタンダード(二重の基準)」が影響を与えています。
  「男の甲斐性」という言葉が表しているように、男性の性体験の豊富さは容認され、
  ときには奨励されますが、女性の性体験の豊富さは否定的に見られます。

  また、「男は狼」という言葉が表しているように、男性の性欲は女性によって挑発され、
  コントロールできなくなるというような思い込みもあります。

  つまり、何か起きたときには、女性が挑発したのだととられたり、
  被害者である女性が否定的に見られてしまうのです。

  わたしたちは、よく言いがちな言葉について、
  相手を傷つけるものではないか、言われた側にとってはどういう意味になるかなど、
  もう一度見直してみる必要があるのだと考えます。


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