445(よし子)のページ「今日という日」日高よし子更新2009年10月9日 0:28【目次】日本の平和とアメリカ『民主党への懸念・国防と国益』
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2009年
音声画像】北方領土関連国家意識を亡くした日本他
           ◎日本の平和とアメリカ
2009年10月9日
 衆議院選挙で国民の関心が薄いとされた『国防・外交』だが、国民からすれば「国の安全・国民の生命財産保全」はどの政権になっても基本的な事として当たり前に完備させている、と思っているだろう。
 官僚、政治家の為政、仕事とは、それを土台に据え、その上に多種の「政策」という苗を植え、その上に枝葉、花、実と開かせる事。
こうして私達の「生]を息遣かせているのは、目には見えないこの地下の土の根の拡がりである筈。

 戦後の廃墟、廃土の中から、私達の両親はその土に新たな種子を植え、がむしゃらに繁栄を築いて行った。これまで、そういう「敗れる」という経験を経なかった日本人の根はただ、復元、復興のみが目指す方向だった。時には挫けそうになる根を踏ん張らせたのは、先祖からのこの『祖国の土』。
 私達の両親は「あの時」に、それを見出したのだとおもう。
 本当の戦争を知る、理解するのは「敗戦」だろう。
例えば、日中戦争渦中も戦場は「中国」だから、戦争状態を知ることはない。自国土が戦場となって、初めて本当の戦争を知った、私の亡き母はそのような事を言っていた。

 幕末から、明治維新、西洋の拡大する植民地支配、人種差別と抗戦した日本。
日清、日露、第一次世界大戦勝利日本の、日露戦争以降から第二次世界大戦敗戦までを生きた、芝五郎という会津藩出身の将校は、中国当時清国の『義和団事件』の時、総司令官として在北京9カ国軍を纏め、イギリス将校マクドナルドからも特に信頼された、日本の一時代の象徴的な人物といえる。
昭和20年に没しているから、日本の敗戦までも見て死んでいった事になる。
 芝五郎に去来した想いは、何だっただろうーーー勝利から敗戦−ーー諸行無常。
そして『日本』が死んで、土となりーーー甦った。 だが一度死んだことの代償。
それがこの戦後の繁栄だけ追い求めた日本人の量産。一切の戦争否定、戦えば、敗ければ、命を失い、廃墟となるから・・・
 昭和20年8月15日、根も葉も尽き果てた(だろう)「日本人」はここで、一度死んだのである。
誇れる国、日本が。

 だが、生命の核は『生』を目指している。いつ、どんな場合でも、『精神』と相反しても『生』を目指す。
それ故、現在の私達の生命も繋がっている。(私の亡き父が爆弾の雨の中、母と一緒に防空壕に逃げず、本当に父の横に爆弾が落ちた時、反射神経の侭、防空壕へ駆け込んだように。)

 戦後、その日本人を育んだ『祖国の土』の上には、アメリカという目には見えない強固なドームが画されていた。
 中国を見据えての米ソ冷戦下、その両国の緊張感が日本の存在をアメリカにとって小さからぬ存在とし、
日本に平和をもたらした。『憲法9条』を以って平和だった、と皆思い込んだが、実状はそんな単純なものではない。法律書の能書きだけで平和が守れるなら、「泥棒さん、侵入しないで!」と書いておけばいいという
事になる、実際はスキがあれば襲われるのだ。アメリカの傘が日本を平和とならしめたのである。

 今、旧ソ連はとっくに崩壊しロシアに、米ソという捉えかたも米中と言うようになった。それほど中国の発展は国防力に顕著である。ついこの間10〜15年前迄、テレビで観たのは天安門前を自転車で走っている人がほとんどだったのに。共産主義に資本主義の市場経済を導入しての興隆だが、政治は共産党の一党独裁のままで「民主主義」にはほど遠い。勿論『選挙』などのシステムも無い。だからチベット、ウイグルを侵略、弾圧も平気でする。(日本の戦前行為を侵略というが、日本の中国での満州租借は日露戦争後のポーツマス条約によるものである)
 共産主義は旧ソ連が発祥だが、『みんな平等』というスローガンはただの「理想看板」で、実状は粛清、弾圧、殺戮、富の独占であった。旧ソ連が崩壊した後、全てが暴露されたのである。
 日本国民としてはっきり明言したいのは、間違っても共産圏、独裁政権の傘下には組み込まれたくない、と言うこと。法の下に平等という民主主義を信奉する。
        ◎『民主党への懸念・国防と国益』
 昨日、テレビ「アンカー」で青山氏が『米中』の狭間で日本は消される、と訴えていた。
 先日の国連出席時のアメリカのオバマ大統領と中国胡錦涛主席との対談時間は1時間半だったが、オバマと鳩山首相との時間は僅か30分だったという。アジアは日米同盟を主軸にこれまで日本を第一に据えていた米が、その軸足を中国に移しつつあるという事だ。そりゃー鳩山首相のこれまでの発言『これまでにはない対等な関係』と言いながら、対等に日本が為すべき事は何も告げず、そればかりか自衛隊のインド洋給油も継続すると言わず、そして『東アジア共同体』である。

 以下は産経新聞新聞掲載、西原正氏の「正論/新政権の国防軽視を憂慮する」より【東アジア共同体には日本の安全保障にとって隠れた落とし穴がある。中国(そして韓国も)東アジア地域を自国の基本的空間と捉え、中国は東・南シナ海を勢力範囲内に収めようとしている。国防費を過去20年間前年比2ケタ増とする中国と、前年比同額か削減の日本の防衛費で、この中国の動きを抑えることは出来ない。そこで唯一可能な道は日米同盟強化だが、一方で「対等な関係」を説きながら、実際には米国依存を深める矛盾を生む。そこに『東アジア共同体』が実現すれば日米同盟の希薄化が進むと中国は考え、中国にとって戦略的に有利と捉えているだろう。『東アジア共同体』の落とし穴である。

 鳩山首相は、ヨーロッパで第二次大戦後、ドイツとフランスが共同で石炭鉄鋼共同体を作ったことが欧州の共同体構築の基礎となったと説く。しかし東アジアの状況は異なる。独仏は同じ民主主義国として協力できた。加えるに鳩山首相は国防への関心が薄い。極めて深刻な問題で、国の存立の基本は国の安全である。朝鮮半島有事の際の大規模テロ、ミサイル攻撃、核の脅しなどへの危機管理の失敗は人命の犠牲を伴う。有事になれば北沢防衛大臣は大規模の官僚組織(背広・制服組)を動かさねばならない、自衛官の全幅の信頼を得る事、危機管理において「脱官僚依存」などとは言っていられない筈である。 鳩山首相は自衛隊の最高指揮官としての自覚をもって国政に当たられることを切に期待したい。】以上正論より抜粋要約。
 
 この日本存続の命綱というべき日米同盟を繋ぎとめる為に策定しているのが、インド洋撤退の代替として
米農産物自由化の受け入れ(並行して日本の農家戸別保障制度導入?か)ではないか。
 ならば何故インド洋から自衛隊を撤退させてまで、それでなくても下がりっぱなしの日本の食料自給率を著しく減少させる政策を敢えて執らなければならないのか?インド洋給油『継続』することに何が差し障るのか? 政府は明確に国民に説明すべきであろう。

 民主党の政権運営にもう一つの指摘があった。産経新聞「歴史の交差点」東京大学教授 山内昌之氏『新政権は国益の定義を』より【中国に対しては、日本の国益を正しく定義する動きはまだ出ていない。尖閣諸島付近の領海侵犯や東シナ海中間線におけるガス田開発は、中国の国益そのもので、『東アジア共同体』の提案という”善意”の表明で問題が解決するわけではない
 東京都の沖の鳥島周辺の西太平洋水域でも演習や調査を繰り返し、日本の安全に脅威を与えている。日本の領土や領海を侵す不法行為に抗議もせずに『東アジア共同体』の理想を語っても、中国は”善意”の枠組みづくりを利用しながら既成事実を積み重ねるだけにすぎない。

 「いたずらに近隣国に懸念を抱かせることはしない」と北沢防衛大臣が沖縄の与那国島など離島への陸上自衛隊の部隊配備計画を進めなかった様な行為がこれからも繰り返されない様、民主党は政権与党としての日本の国益を改めて定義する必要がある。】以上要約。

 国連での演説『温暖化抑制の為’90年比排出ガス削減25%』発言でデビューした民主党鳩山首相を見ていると、実行出来る施策ひとつひとつを積み上げた結果で25%という数字を弾き出したのではなく、何の根拠もなく取りあえず(耳目を引く)目標値を言ってみた、というやり方に思えます。
 テレビで観ると田園調布の音羽御殿にお住まいという身分であれば、生まれてからずっと懐具合を考えて『お金』を使途したという事などないのではないかと推測する。なんでも欲しいものは手に出来た。だから大風呂敷な事も言い広げられる、と。そういう人生経過には『戦略』というものなど不必要だったでしょう。
この際は総理になられたのだから、経済金融に精通した人と外交、国防の専門家をブレーンとして身近に置くべきです。韓国人の顧問より、もっと有用だと思います。

 村山政権の時、阪神淡路大震災が発生し、その時の対処の不手際に当時村山首相は「なにせ初めての経験じゃからのう」と有名な?発言を遺されました。
 危機管理、国政に失敗は許されません。鳩山総理大臣その事をもう一度、正面に踏まえて施政してくださいますようお願い致します。、