飛鳥山の記録を調べている中で、六阿弥陀詣の存在を知り、機会を狙っていた。シニアウェブの集まりや、自分のMLを通じて参加を呼びかけたところ、他に5人の方が参加してくれることになった。そこで、当日歩く道などを下調べしてから臨むことにした。
従って、参加者のことも考え、全員参加の初日は、3つの阿弥陀様をお参りした。
残りの阿弥陀詣では後日一人で歩いた。

「ろくあみだ」について

江戸時代、とりわけ女人の阿弥陀信仰として、各地で「六阿弥陀」参拝が行われました。
1690年の江戸鹿の子(タウン誌)には、
壱番  豊島郡本木   三縁山長福寺
弐番  沼田村      甘露山延命寺
参番  西箇原      佛宝山長福寺
四番  田端村      宝玉山与楽寺
五番  下谷        延命山長福寺         
六番  亀井戸      浄光寺 
と掲載されています。全部歩くと25Km程あり、「六つに出て 六つに帰るは 六あみだ」と川柳に詠まれています。実は、この6寺の他に木あまり、末木(木残り)の2寺があります。どうも、ろくあみだのお寺が繁盛するのにあやかろうと、名乗りを上げたらしいのです。
<由来> (別記)
<川柳>  (別記


3月20日
10時に田端駅南口集合。出てすぐの階段を上り、与楽寺坂を下ると、右手に4番与楽寺がある。門前に並ぶ石碑は、江戸時代に建てた物であることが分る。
与楽寺坂の碑 与楽寺

       本堂         阿弥陀堂

  碑文  鐘楼    
与楽寺を出て、大通りを渡るとすぐの所に東覚寺がある。東覚寺は谷中七福神の福禄寿である。入り口の真っ赤な張りぼてで一見してそれと分る。東覚寺本堂   仁王堂

次に、大龍寺に立ち寄る。このお寺は、立派な構えをしているが、現代建築である。
大龍寺から西北に進むと、山手線にぶつかる。駒込から王子に至る本郷通りを横切り、古河庭園の裏手の道を行った所にあるのが、3番、無量寺である。入り口の門がしまっていることもあるが、横から入るよう指示があり、流石にお彼岸であり、境内には人影があった。ここのお庭は手入れも良く、雰囲気の良いお寺だ。
山門 本堂  石碑
無量寺を出て少し坂を登ると木残り昌林寺がある。入り口に石の柱があり、それと分るが、もんから境内に入っても、何があると言うわけでもなく、静かなお寺らしからぬお寺というしかない。
     石碑 本堂 山名額

飛鳥山に行くのには、ゲーテ坂を上がって行く。たまたま月曜日でゲーテ記念館はお休み、加えて、飛鳥山の中の施設もすべて休み。飛鳥山碑などを見てから、王子駅前で昼食。

食後は、1番西福寺へ。入った所に、はりまや橋の坊さんからかんざしを貰った女性の碑があったり、サイパン観音像があったりする。流石に、1番だけあって、小さな庭がしつらえてあって、そこに六阿弥陀全部がおまつりしてある。古いものと新しいものが混在しているが、戦災にあっているため、痛んでいるものも多い。
参道 本堂 露座観音

大師像 サイパン観音  雷神 清滝六阿弥陀

    仁王  地蔵  おうま由来記碑
この日は、これで予定終了。友人の実家である王子の古い和菓子屋さんに立ち寄り、雑談した。

3月31日
飛鳥山から、石神井川を遡る観桜の散歩に付き合い、板橋から戻って、王子駅からバスで足立区に入る。
まずは、2番恵明寺である。バス停からすぐにあり、横の門から入れてもらう。立派な庭があり、奥まったところに本堂がある。
本堂 山門 境内

           子育て地蔵 青面金剛

広い通りの反対側に木余りの性翁寺がある。
内門 本堂 外観

王子に戻るよりもと選んだのが、西新井薬師から電車で亀戸に出る方法だった。亀戸水神で下車。電車の線路沿いを戻り、二つの学校の前を通ると近代風のお寺の前に出た。これが常光寺だった。本堂らしき前で手を合わす。あまり厳かな感じはしない。
本堂 大仏

       寿老人堂   古い石塔

5月10日
一つだけ残ったのは、引っ越してしまった5番。病院の帰りに、京王線でつつじヶ丘で下車。地図の通りに細い道を辿ると、敷地は随分広そうなお寺だったが、六阿弥陀5番とは分るものの、このお寺も、どこでお参りするものやら、分らぬ。何しに来たのか、自分でもがっかりするような感じで、六阿弥陀詣での終焉となった。
 門標    本堂

          境内      歌碑