【夢分析のための実践講座 基礎編-03】          NEXT-UP

 

 

 

 

 

 

 

tamay.gif   54歳  女性 夢診断を元彼 がしてきた〜   「ローラ」さんの夢   chibiz.gif
イメージ添付の夢内容を見る時はここをクリック 

夢の中に遠い昔、高校生の時に付き合っていた彼氏がでてきて
「その夢は自分が見させているんだ」と言うのです。

場所は学校の教 室です。

教室は私が在籍していた学校の教室ではなくどこか別の学校 でした。
それと教室の片隅には近所の現在の友達がいたりしました。
 

話があちこちしますが、高校の時に付き合っていたその方と は
私の精神が幼かったことや、人格的にも未熟だったことや
本当にいろいろなことがあってとても結果的に、とても残酷なふりかたをしてしまいました。

何年もお互いに気持ちを引きずりました。
6年ほど前に同窓会があり30年ぶりで再会しましたが、
いかにその時の傷が大きかったか改めて見せつけられまし た。
私はわだかまりを除いていただけるようにと、その後会いたい旨を伝えましたが断られました。

そして夢で「好きになっちゃうよー!」と言われました。
→バカバカしくてすみません(^0^)
余談ですが今は今後二度と会わないと心に誓っています。

前回の相談の夢は10 年位前から見ていますが、

その同窓会以来頻繁にその方が夢に出てきていました。

その方が高校時代の仲間と会ったりしたときには、もちろん私も夢を見まし た。(友達から伝わってきます)

夢は夜中中ずっと見ているような気がします。
多い時には毎日、普段は2,3日に1回見ていました。
夢なのか現実なのか区別がつかなくなったほどです。

そんな状況が何年も続いたのですが、「自分がその夢を見させたんだ」と言わ れた夢を見てから
もう4ヶ月も経ちますが、それ以来一度もその方の夢を見なくなりました。
 

なにか深い怨念があるようで怖くてなりません。な ぜなのでしょうか?教えてくださいませんか?

よろしくお願いいたします。   ローラより

 




ちなみに、前回相談を受けたのは、 以下のような夢。簡単なアドバイスをしました。

夢のタイトル  :  10年同じような夢を見る  53歳 女性  「ローラ」さんの夢


私は大きな家の中をぐるぐる何かを探し回る夢を見続けています。

その家は度ごとに違う家ですが決まって家の周囲が廊下で囲まれています。
ものすごく古い家でした。共通しているのは旅館くらいに広い家で、でも個人の家です。

家の中に物は普通にありますが人の気配が感じられません。
多分そのときの自分が、トイレに行きたくてトイレを探しまわっていたのですが
最近はトイレではなくてなんだかわからないのですが、何かを探してぐるぐるしています。
そのときの気持ちはこの家に住もうかどうしようか考えています。

10年も同じような夢を見ることってどんな意味があるのでしょうか?
実は私、その10年位前を中心に(最近はなくなっている)よく予知夢をみていたのです。
義兄の死、クロネコの夢を3度見た後に本当に野良のクロネコがやってきたり。。。
ですからこの夢にも何か意味があるのかしらとずっと気になっています。診断よろしくお願いします。

【夢アドバイス】
家の中をぐるぐると何かを探しているのは、いまの自分の生き方や能力に不安があるから。

10年間も同じ夢を見ているのは、同じような繰り返しの状況にあなたがさらされていながら・・・・
チャンスがあったかもしれないのに・・・ある意味、時期を逃してしまったという意識があるからでしょう。
トイレが当初の目的の場所であったのに・・・最近では・・・何を探しているのかはっきりしませんね。
排泄するという行為が・・・他の何かに置き換えられたのであれば、たぶん仕事に関すること。

いまのままの生き方で本当にいいのだろうかという「不安」が感じ取れる夢です。
あなたにとって足りないものって・・・いったい何? 現実に照らし合わせて考えるべきかも?。




このときは指摘しませんでしたが、「心の隙間を埋める対象」を探している夢なのです。

「溜まったもの」を排泄したい何かしらの「欲求」があって、トイレを探し回る。

その行動が変化して、何かを探し回る。自分の居場所として、住もうかと考えている。
家の中をぐるぐると動き回るのは、自分の心のありようを探求する行為といえます。
つまり、自分探し。


自分にぴったりの「何かがあるはず」という思いは、なかなか満たされません
身近に起こる「出来事」や、関連してそうな「ことがら」に・・・何かしら、自分への影響を感じたがる。
自分と結びつけていないと気が済まない傾向が少しずつ大きくなります。


夢に出てくる「廊下」は、どこかの部屋へと通じています。途中経過としての部分です。
探しているだけで、何を探しているのかもわからないまま、結局のところ、たどり着いていないのです。







@ 夢の概略をつかむ


ケース研究その3は、前回のケースと同じように「教室」が出てきます。
今回は補充資料として、同じ夢見者の別の夢を用意しました。
夢分析の的確さをアップするには、必要なものです。


【概略】

高校のときの「彼氏」が「その夢は自分がみさせているんだ」と言う。
場所は「教室」 そして、「好きになっちゃうよー」と言ってくる。

夢の背景:同窓会で実際に会っている。元彼の夢をみたということが「元彼」に伝わっている。
同窓会後、会いたいと伝えたが、断られた。それ以来、頻繁に夢にみるようになった。
しかし、この夢をみたあとは、元彼が出てくることはなくなったようだ。
元彼の怨念があるのではないかと思っている。





A夢の概略からシナリオ、物語をつかむ
   元彼が教室で夢見者に語りかけている。「好き」らしい。



B 物語をつかみながら、背後の感情をさぐる。

物語は単純明快で、誰の感情なのかというところがポイントとなります。
「好き」という感情元彼から発生しているように夢は展開していますが、
夢見者の心の反映、つまり投影です。


元彼のセリフは、すべて夢見者のものであるということ。
「夢をみるようにさせた」のも、「好きになっちゃー」のも夢見者自身


なぜ、夢見者の視点から、この夢において自分の感情として表現しないのか。
それには理由がありそうです。
問診のひとつ目のポイントとなり、重要な柱となるでしょう。




この夢をきっかけとして、それまで、何年も、頻繁にみていた「元彼」の夢はみなくなりましたね。
このような現象面の変化についても、
夢見者はそれなりの「納得のいく」夢事情を知りたいはずです。
問診の2つ目のポイントとなるはず。


さて、夢のステージが同窓会の会場ではなく、「教室」だったのはどうしてかということに触れていきましょう。

同窓会で会った彼には、夢見者の「後で会いたい」という願いは拒否されました。
でも、高校のときは、実際にお付き合いし、いろいろとあったが、夢見者が「振る」という拒絶をしています。


拒否に対する拒絶

「好き」と宣言した彼は高校のときの「元彼」ではなく、現在「元彼」のはず。
なぜなら、同じ教室の片隅には、近所の現在の友達もいたのですから。
私への「好き」が彼から発せられたことを証言してもらいたいのでしょう。
だから、片隅にいるのです。
※登場しているだけで、何も行動しない人物には「隠れた感情や意図」がある!


「教室」という状況設定なら、夢見者は区切りをつけられます。高校のとき、「元彼」を振ったように。
つまり、夢見者は同窓会の会場でなく「教室」という舞台に現在の「元彼」を引き戻すことによって、
繰り返し夢に出てくる「元彼」との決別を再現しようとしている。
「教室」でなければならないのです。
※夢のステージの設定は、夢意識が選択している。状況を補強している! ここでは「決別」という状況。

すでにお気づきでしょうが、ここに「弱いつながりの記憶の再構成が生じています。

高校生の頃、「好き」と言われたのは、たぶん「元彼から夢見者へ」というベクトルでしょう。
当時の「夢見者」残酷な結末を突きつけたのは「元彼」に対するものでした。
しかし、同窓会では、夢見者が「元彼に接近」というベクトルを示したのに対して、
元彼から「断られた」という事実が生じます・・・つまり「私を振った」ということですが・・・。

この夢においては、「実際におきたこと」を、夢見者が都合よく、切り替えたのです。
夢見者が元彼に「接近」しているのに、つまり「好き」だといっているのは「夢見者」なのに、
元彼の方から「好き」
だと言わせている。逆転している。

このことにより、別の「逆転」が生じてしまいます。

逆転は、「振った・振られた」の関係性次元で発生します。

同窓会という席において、元彼に「私の接近を断られた」、つまり、元彼が「私を振った」ことが
夢見者が「元彼を振った」
という逆の暗示へと変換されてしまうのです。

夢の中では、このことに少しも触れていませんが、これが夢のロジックです。
隠れている「意図」ということになるでしょう。誰に向けての「意図」でしょうか?
そうですね、おそらく、「夢見者」自身へのメッセージ。夢内容にはありませんが、夢見者は感じ取っているはず。

すなわち、「隠れている意図」ではありますが、何年も繰り返す「元彼」の夢と決別をはかるべきあると
夢見者「決断」をした「夢」であるということを意味します。

「元彼」と残酷な「別れ」に幾ばくかの後悔を感じていたことは確かでしょう。
その思いが同窓会で拒否されたため、処理されないまま「夢見者」に固着してしまいました。
もしかしたら、同窓会を契機に、親密な関係を求めていたということはありえるかもしれません。
それが2つ目の要因となり、「繰り返しの元彼の夢」をつくりだしたといえるでしょう。
その夢を断ち切るべきであると夢意識が判断し、今回の夢をつくり出したのではないかということです。

さて、もう一つの夢から、類推できることとして、いくつか挙げるなら、
夢見者の個人的な事情、たとえば、夫がいるのなら、夫との「関係性」と内在する「もの足りなさ」
何らかの事情で独身なら、誰かに頼りたいという「依存の対象」としての「存在」の不在
この2つが、夢見者が今後も抱える「生きにくさ」として、継続されるはず。このことは伝えるべき。


以上で、エリカの講話はおわります。

by エリカ      




C 現実世界へつなぐための問診をする。
    

問診についてはケース1と2で、要領はつかめたのかなと思っていますので、省略します。

自分で、自分の夢を分析するときには、こちらを参考にするとよりよい結果を得ることができます。

さて、今回の夢見者は、長い間、繰り返しの夢をみていました。それが、何かしらのきっかけでみなくなります。
夢意識が、そのような判断をしたのだとエリカは断定していますが、おそらく、そうであろうとうららも思います。
夢意識については予備知識として共有していただければ、今後のケース研究に役立ちます。


今回の夢は、夢見者の別の夢がありますから、問診する際の参考になり、より的確な質問ができるようになります。

夢見者には問診の際、その他にも夢はみているのではありませんかと、お尋ねをすることがよくあります。
初診の夢見者については、かならず、他の夢のサンプルを提供していただくようにします。

自分自身の夢を分析するときも、その夢だけに集中するのではなく、他の夢についても
夢日記のなかから引き出して、並べて、「物語」やプロットを比較してみることをおすすめします。

今回のケース研究では、他の夢の活用というところに視点がありましたね。



D回答をもとに、夢診断の作業をする。

問診の回答から、夢見者の「夢意識」を感じ取るようにしています。

繰り返し元彼が出てくる夢においては、その元彼が高校生の「元彼」なのか、
それとも同窓会で会った「元彼」なのかをはっきりさせる必要があります。

エリカは、「好きになっちゃたよー」と宣言しているのは、同窓会での「元彼」であると断言しています。
同じ場面に、現実の近所の友達を教室の片隅に登場させていますから、その可能性がきわめて高いとはいえます。
問診がないので、その部分は、はっきりとしないので、うらら的には「はがゆい」状態のままです。

繰り返しみている「夢」についても、詳しく聞き取りをするべきでしょう。
同窓会の元彼の姿で出てくるのか、ときには高校のときの「元彼」が出てくる場合があるのか気になるところです。

いずれにしても、夢の生成に関しては、脳の前頭皮質がかかわっています。夢意識と表現している領域です。
神経伝達物質まみれの「前頭皮質」が、大脳辺縁系からもたらされた「素材」を使って、シナリオを展開します。
素材が同じでも、夢意識がどのように「夢を生成するか」については、夢見者の「現実認識の枠組」に依存します。
エリカやうららは、手探りで、それを解き明かそうとしていますが、やはり限界があるのは認めなければなりません。

問診のあとに、再度、問診を行うことがあります。何もわからないからです。
何もわからないは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、右か左かという部分で悩むわけです。
分岐し、事態が生じていることはわかるのですが、(ニューロンの触手の動き)
それが、どの方向に向かうかというような細部のニュアンスがはっきりしません。



「ローラ」さんの夢では、同窓会以後に、繰り返しみていた「元彼の夢」が
この「夢」をみたら、その後みることはなくなったという「夢見者なりの実感」を提起しています。
みなくなったのではなく、みないことにするという「夢意識」のはたらきがあったのかは、微妙な部分です。

元彼に固着していた「夢見者の現実認識」の「枠」がはずれて、夢見者が解放されたのかもしれません。


「悪夢」というわけではありませんから、
「悩まされていた」のか、「楽しんでいた」のか、問診しないとわかりません。

「この夢は自分がみさせているんだ」という「元彼」のセリフに
深い怨念
を感じるという「夢見者」ではありますが、「夢見者の執着」の裏返しでしょう。

「怖くてなりません」と訴えている夢見者が、具体的に「何が怖い」のかは漠然としています。

もしかしたらみなくなったことを「寂しく感じている」のかもしれません。
なぜなら、「家の中をぐるぐると探し回る」夢で指摘したように、
夢見者には「心の隙間を埋める対象」が必要だからです。やはり、問診が不可欠ですね。



このケース研究は、夢見者の「別の夢」を参照することが、
夢見者が抱えている「生きにくさ」に迫るアプローチの手助けになる事例といえるでしょう。
夢を現実世界とつなげていく「問診」が、重要な役割を果たすことも再認識できたのではないでしょうか。


以上で、このケースに関するうららの講義は終了します。

by うらら      




Eエリカの夢分析と うららの夢診断をもとに、ふむふむが夢判断を する。


この夢の発生源は、同窓会時に「元彼」にであったという出来事にあります。

それまでは、高校生の「元彼」との事情は、マイナスの感情とともに「封印」されていました。

30年ぶりにであったことにより、過去がよみがえったわけではありませんが、
夢見者は、「夢見者」なりに、過去の清算を始めたいと感じていたのは確かでしょう。

精神的に幼く、未熟だった「高校生のころの夢見者」という前提でもって、(つまり、言い訳を用意している)
残酷な「振り方」をしたのにもかかわらず、わだかまりを除きたいという
夢見者の身勝手な要求は、「元彼」を激怒させたのかもしれません。


封印していた「弱いつながりの記憶」はそのとたん発動し、記憶の連鎖を生み、次々とニューロンを発火させます。


そんなはずではなかったと夢見者は後悔しているかもしれません。
幼さと未熟さと、残酷さの3つが、堂々巡りを始めます。
爆発するようなニューロンの発火の連鎖が行き場を失っています
感情の領域である「大脳辺縁系」は、処理のめどがつかないまま、記憶の再生産を続けます。

このような「記憶の再生産」が、繰り返しみる夢をつくり続けているのかもしれません。

同窓会の後で会いたい、そしてわだかまりを除きたいという「夢見者」の申し出
元彼が「断る」という拒否を示した現実を、残酷な振り方をした「夢見者」には受容できなかったのです。


結果として、何年もの間、夢見者は現実を「受容」するための「夢」を見続けることになります

繰り返しの夢は、場面設定を変えながら、少しずつシナリオが変化してきているはずです。

そして、最後の結論として作り上げた「夢」が、今回の夢だといえるでしょう


夢見者は生きにくさを解消するために、
「同窓会での元彼」を「高校の元彼」に引き戻すことにしたのでしょう。
実は、その「引き戻し」が引き起こす「別の事態」がはじまっていることを夢見者は知るべきです。

幼さと未熟さ、そして「残酷」という感情セットの再現です。

どのような形で、再現されるかはわかりません。おそらく「拒否」と「拒絶」という次元で発生するでしょう。

一方でのみ生じる事象ではありません。お互いが、同時にマイナス感情を成立させたときに起きます。

もし、夢見者が結婚されていて「夫婦」として、長年、ともに暮らしているということであれば、
その関係性の中で再現されることが予想されます。

「元彼」は「元夫」置き換えられるでしょうから。それが夢のメッセージ。


問診がないので、はっきりとしたことは言えませんが、夫がいれば、夫との関係性の中で
すでに、なにかしらの「解決すべき問題」あるいは「放置している事情」が発現しているものと思われます。

独身であれば、家族との関係性で生じるということです。

ふむふむの「講話」はここまでとします。

by ふむふむ     





ケース研究その4は、

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2024/10/18