忘れるために思い出す

海馬が記憶の管理をしている。

海馬が脳から取り除かれても、古いエピソード記憶を想起することはできる。
しかし、海馬がないから、あたらしい記憶はつくれない。
ネットワークを構成することができないからだ。

古い記憶には関連付ける「タグ」がついていて、海馬を介さなくても想起に支障はない。
ただ、海馬なしでは古い記憶はいつまでもそのままで忘れることもできない。

思い出したくない記憶もある。
忘れてしまいたいと思うなら、その記憶を思い出さなければならない。
なぜなら、思い出すことで、「タグ」の付け替えができるからだ。
夢見の機能は、そのような消し去りたい記憶を思い出し、新たな短期記憶とつなぐことで
新しい記憶として、そして少し異なる記憶としてネットワークを構成する。
この繰り返しをすることで、忘れたい記憶は、消し去りたい記憶は、別の記憶へと変容していく。

不安な夢を見るのは、不安な状況を乗り越えるために、記憶の入れ替えをしているからだ。

友達のミンチ  「よいか」さんの夢
https://www5a.biglobe.ne.jp/~yumeyume/yoika01w.html



夢はあなたを少しづつ変える

ノンレム睡眠の第一段階、N1のステージは

入眠幻覚と言われるようなたいへん短い夢を展開している。

レム睡眠の短縮版のような感じが、ノンレム睡眠「N1ステージの夢」だといえる。

単なるイメージであったり、何かしらの場所や雰囲気だけだったり、
何かが登場する映画のワンシーンのような夢なのだ。

浅い眠りなので、幻覚をみているのではないかと感じるほど、はっきりしている。
その瞬間に強制的に起こせば夢の内容を聞き出せるから、実験的研究の対象となりえる。
ここに視点をあてた研究でわかったことがある。

夢は、目覚める前の10秒ほどの間に展開されているイメージを思い出したものだということだ。

鮮明なので、思い出すときに、余分なものは追加されない。
二次加工されていない純粋な夢内容そのものであって、
その瞬間(10秒間)の脳波や脳血管の血流の動きから、どの脳領域が関与しているのかがわかる。
どの領域がどの記憶と関連しているかはすでに明確になっている。
顔、物、場所、動き、話すといった部分だ。

レム睡眠は浅い睡眠段階であって、一晩にいくつかありますが、
夢が思い出されるのは特別な事情がないかぎり、最後のレム睡眠ですね。
目覚めの前には、レム睡眠からノンレム睡眠にいったん戻りながら、
夢の記憶を消去するようにシステム化されていますが、
最後のレム睡眠の夢内容にあなたの意識が反応し、
ノンレム睡眠に入らず目覚めることになれば、夢を覚えていられるのですね。
ここが重要な部分です。
夢を覚えていようとする「意識」がなければ、夢を忘れてしまうということです。

覚えているといっても、10秒間ほどの夢なのかもしれませんが…。

夢は二次加工によって、つまり、夢を思い出し、言葉にするとき、メモをするとき
目を覚ます前の短い印象をもとに、あなたなりの物語を生み出す作業が自然に追加されます。
それが「現実認識」というあなたの生き方を左右する枠組みであり、
物語化を推進する「スキーマ」というエンジンです。

現実認識を変えることで、夢は変わります。
夢を変えることで、現実認識は一層強化され、あなたの人生を変える力となります。
なぜなら、あなたの「記憶」が変わるからであって、あなた自身が別の存在として生まれるからです。

生まれ変わるためには一人では難しいこともあります。
夢を誰かに話してみる、夢日記を読み返してみる、夢分析をしてもらうなど…。
試してみる価値はあります。

自分だけの力でしたいのなら、その方法を学ぶことですね。
夢の止まり木はそのお手伝いができます。夢の止まり木で基礎から学べます。

https://www5a.biglobe.ne.jp/~yumeyume/dream8.html



夢見の主体は誰?

夢をみているのは、それは、確かに「あなた自身」ですか?

わたしは別の人格で夢をみていると感じる時があります。

自分の背中を見ている自分がいる。
第三者的な視線を、あるいは俯瞰的な視点から夢をみている。

自分自身が少女、あるいはかなり若い女性の目となる。
夢見が展開するにつれて、状況はあきらかになって、確信する。

わたしの人格のひとつに「少女」があって、その存在がユメをみている。
私が見ている夢を、少女の目で確認している。
自分以外の誰かになること、多重人格に関することではない。

夢をみているときの「あなた」は、実際の「あなた」なのですか?

指が7本  「ふらん」さんの夢
https://www5a.biglobe.ne.jp/~yumeyume/huran04w.html




内部環境に宿る感情

腸の先端に嗅覚センサーがついて動き回っていた原始的な生物が

漂いながら周囲にあるものを体内に取り込みます。
餌もあるし、そうではないものもいっしょに腸へと流し込みます。

人間の嗅覚はもちろん鼻ですが、嗅覚神経から届けられる「信号」は大脳皮質へ直通です。
その他の視覚や聴覚、味覚、触覚等の「信号」は視床下部のゲートを経てから
大脳皮質に届くのと比べたら、嗅覚だけが特別扱いなのですね。最初の感覚でしたから。

ところで、腸も「第二の脳」と呼ばれるほど、神経細胞が密集しています。
体内環境の状況を脳へ伝えています。
睡眠時は、とくにレム睡眠時の感覚情報は視床下部のゲートで遮断されていますが、
腸から届けられる体内感覚(内部情報)は例外なのかもしれません。
外部は遮断でも、内部はニューロンネットワークにつながっていて、
夢にも影響を与える可能性があるかもしれないということです。

腸内環境は、じつは様々であって、腸内細菌が創り出す微妙な「感覚」も含まれています。
夢見の背景や雰囲気を創り出しているのは、そのような腸内環境かもしれないということです。
言い換えると、腸も神経修飾物質を使って「感情」を表現し得るのではないかという可能性です。

体調が悪いと不機嫌になりがちですね。それと同じことが腸でも起きている。
腸だけでなく、もっと広い領域、内臓が気分を創り出している。
もし、そうなら、脳は内臓とのやりとりで、気分の調整をしなければならないはずです。
見過ごせない存在として、体内にある第二の脳を夢見者の立場としては観察する必要があるでしょう。
なぜなら、感情のラベリングこそが、夢のデフォルトであって、
ニューロンネットワークによる記憶の再構成ですから。



眠りへの儀式

夢は感覚記憶の表現の一形態です。

ベッドで横になり、目を閉じ、リラックスします。
やがて身体全体のイメージが浮かんできます。

輪郭がやわらかく縁取りはじめると足の指も腰のふくらみも立体像として立ち上がります。
意識を体の各部分に向けると、感覚として何かしら脳に帰ってくるものがあります。
それぞれが機能していることが確認できると、今度は脳の各部分を想像しはじめます。

さまざまな感覚が押し寄せる「島皮質」、その傍にある偏桃体、
寄り添うように並んでいる「側坐核」、そして「海馬」
それらを覆うように包む込み「大脳基底核」、最後に額の裏側にある前頭葉へ、意識は向かいます。

すでにわたしは「眠り」にはいっていて、意識を失います。
このような睡眠儀式のルーチンをはじめたのは、ごく最近のことです。
身体の隅々に意識が行きわたり、意識の座である脳領域にもどるとき、睡眠が始まるのです。
夢を覚える必要もなく、夢そのものを感じている自分を確かめることができます。
そんなに難しいことでないことに、このごろ気づきました。

蝶(ちょう)・・・・?   「あおみつ」さんの夢
https://www5a.biglobe.ne.jp/~yumeyume/aomi01w.html


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