音楽のページ
J 2021 3 Min. ミュージック・ビデオ
出演者
米津玄師
(寄席で演じる落語家)
米津玄師
(寄席の観客)
米津玄師
(死神)
見た時期:2026年1月
本来は来週末に始まる冬のファンタの作品紹介を優先しなければ行けないのですが、ちょっと寄り道。
★ 劇場版チェンソーマン レゼ篇のトレイラー
2025年夏のファンタに劇場版チェンソーマン レゼ篇のトレイラーが何度も出ました。以前のファンタではファンタ中に上映される作品のトレイラーが良く出たのですが、この年はいずれこの映画館で、フェスティバルではなく普通に上映されそうな作品のトレイラーばかり。その1つが劇場版チェンソーマン レゼ篇だったのですが、日本でヒットしている映画の情報に触れることの無い私は全く予備知識がありませんでした。
いくつも上映されるトレイラーの中でこの作品の音楽だけ非常にいい印象を残したため、後日同じ映画館で劇場版チェンソーマン レゼ篇を見ました。ストーリーも作画からもこれと言った強い印象は残らず、部分的には居眠りしてしまいました。私のお好みのアニメと言うと、かなり前の攻殻機動隊(1995)とか、イノセンス(2004)。共に押井守作品です。その他と言うと、もっと古いテレビ版鉄腕アトム、鉄人28号、少し新しいルパン三世。ルパン3世の1つはファンタに参加し、ドイツで見ました。
渡欧してから日本の映画に触れる機会というと、以前時々日本の劇映画を上映していた映画館があり、そこでたまに見るか、あとはファンタに参加する作品で、アニメは非常に少なかったため、ほとんど時代に追い付いていませんでした。ただ、一般の報道で日本のアニメが海外でどんどん人気を集めている、麻生総理大臣、大臣が積極的に海外に出そうとしているといった話は耳に入っていました。
ベルリンにいてもその気になれば日本の映画、アニメを見ることは可能なのですが、サラリーマンをしながら、ファンタ作品を追っていると、それ以外の映画にまでは目が届きません。そんなわけでチェンソーマンと言われてもピンと来なかったです。
★ アイリス・アウトの成功
さて、テーマ曲のアイリス・アウトが耳に残り、家で調べてみて米津玄師自身のビデオにぶつかりました。それが気に入ったため、先日記事にしました。その後恐ろしい数のカバー・バージョンが出て、そのほとんどが日本語のオリジナルのまま。わずかに英語バージョンもありますが、果たして日本語版で使われている男っぽい俗語のイメージが伝わるのだろうかというような標準英語。普段自信たっぷりの男が、ある日、ある女性にほれ込んでしまって、自分の気持ちをどうしたらいいか分からなくなっているようなニュアンスの曲。英語でそこまで表現できているのかは教科書英語しか知らない私には分かりません。
その後アイリス・アウトが外国のヒットチャートにも乗っていい成績を収めているなどの記事を目にし、外国人はほとんど日本語のまま曲を楽しんでいるのだと分かりました。歌詞が分からなくてもリズム、メロディーなど、音楽だけでも非常に楽しめます。とにかく出るわ、出るわ、歌のカバーだけでなく、楽器でカバーするビデオもあれば、歌い方指導、そしてダンスのビデオも山ほど出回っています。
いくつか米津玄師氏の他の曲も聞いてみました。他の歌手の曲とあまり違わない、それほど心躍らない曲もけっこうあり、ライブのビデオは音響が悪くパッとしないと感じた物もありました。まだ発展途上なのかとは思いますが、アイリス・アウトを聞くとすでに大作曲家になっているとも感じるので、どの顔が米津玄師氏の現在の顔なのかは分かりませんでした。
そういうある日出会った死神。
★ 死神
長い間落語大好きだった私の趣味にピッタリ合いました。井上さんも落語家を呼んで家で演じてもらうほどの落語好き。私は外国に出てしまったので寄席にはほとんど行っていませんが、日本にいたら私も定期的に通っただろうと言えるぐらい落語が大好きです。井上さんからは当時落語のカセットを送ってもらっています。別に特別に努力したわけではありませんが、しょっちゅう落語を聞くことができたため、私は今でも頭の中では日本語で考えています。ある学者が調査したところによると、海外に長期滞在している日本人では女性の方が男性より日本語が不自由になるケースが多いのだそうです。現地に溶け込む力は女性の方が強いらしく、男性は「日本」という世界から抜けられない分、日本の言語を忘れないそうです。
さて、話を戻して、米津氏は末広亭かどこか、本物の寄席でミュージック・ビデオを撮影したようです。その上、普段は現代風のダンスをする米津氏、この日は落語家のしぐさをしっかり勉強して、タイガー&ドラゴンでやくざ出身の落語家山崎虎児を演じた長瀬智也に勝るとも劣らないきちんとした立ち居振る舞い。米津氏は死神の話をする落語家、客席で見ている観客、死神の役で登場。
私は確か桂歌丸師匠の死神を何度か見たような記憶がありますが、米津氏は2分足らずの時間内できっちりあらすじを理解した上で演じています。この曲の歌詞もアイリス・アウトと同じく日本の男性の俗語口調で、「くだらねぇ」とか「うぜぇ」などという言葉が出て来ます。他のいくつかの彼の曲と比べると、アイリス・アウトと同じように抜きんでた優秀作。この作品は2021年に出たそうですから、彼は平凡な曲の横で時たまこういうぶっ飛んだ名曲を作る人なのかと思っているところです。
このコーナーは普通映画を扱い、音楽は稀ですが、米津氏は数分間の短い時間で1つのストーリーを表現しており、劇映画が2時間近くかけてやる仕事に挑戦し、成功しています。そういえば以前藤圭子という歌手もジャンルは違いますが、数分間で人の人生をきっちり歌っていました。数分で語りつくされると、映画監督はいい迷惑でしょうね。
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