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グラデュエイション(板厚)は、ヴァイオリンの音にとってはとても重要な要素。
厚すぎても、薄すぎてもよくありません。
さりとて、薄いものは直しようがありませんが、厚すぎるものは削りなおすことができます。
そのため、リメイクするに際しては、もともとのグラデュエイションを綿密にチェックする必要があります。
V-3 | ◇ 元のグラデュエイション |
◇ 仕上げたグラデュエイション | |
◇ スクロールの整形 | |
□ 博士のちょっとしたミス | |
◇ 最終組立て |
◇ 元のグラデュエイション | ||||||||||
元々の表板板厚 | 元々の裏板板厚 | |||||||||
上のイラストをクリックすると、拡大図のページが開きます。 |
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上の写真・右の左側が本器、右側は去年リメイクした鈴木のもので、 私の好みに合わせてやや半円状に修正してあります。 このことは、川上氏のマニュアルにもあるとおり、ボタンは、通常エッジの円弧より2mm外側に、 直径21.5mmの円の中心をとり、きれいに丸く納めるのが正しいとされています。 その全体の丸さが、本器のこの形のように半円より少ないものとか、楕円ではなく、 どちらかというと円の55〜60%程度の形がわたしの好み。 ネックをがボディにより多く食い込んだその結果として、ネックの長さが3mmほど短くなることとなります。 ヴァイオリンよりヴィオラ・・の理屈どおり、理論上、ネックの短い分だけ低音域が悪くなるのは必至。 では、どれくらいの影響が出るか・・・? ヴァイオリンの有効弦長は、およ33センチ、3mmだと、およそ、その1パーセント。 数値では、たったの1%にしか過ぎませんが、これは絶対に見過ごしにはできません。 そこで、ペグボックス内に、厚さ2mmほどのカエデの端材を埋木して ナットの貼り付け位置を伸ばし、これに対応させました。 残り1mmは、ナットをボックスの上に出っ張るようにすることで、 なんとか、標準の有効弦長は保持できる結果となるわけです。 |
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◇ 最終組立て | ||||||||||
バスバーを貼ると、いよいよ表板の接着。 エフ字孔から出ている白い紐は「あれは、なんだ?」と思うでしょうね。 本体の右側には、割り箸が一膳、置いてありますが、それも今回の小道具のひとつ。 できるだけ均一に貼りたいと考えて割り箸を利用しました。 右の写真のように、側板の凹んだところを出っ張らせるためのつっかい棒だったのです。 さらに、後から、狭いエフ字孔から楽に箸が抜けるように、それぞれの順番を決め、凧糸をつけたわけ。 ニス仕上げは、アルコール系の着色剤で2回ほど塗り、元の色 + 自分の好みの色にしました。 ニスが乾く間に、指板も新しくつくりなおしました。 ボディの上、二本黒く写っているのが指板で、左が元のもの、右が新しくつくったものです。 写真は、着色後にオイルニスを一回塗ったところ。 当初、ただの茶色だったし、色も暗い感じでしたが、少しだけ赤や黄色を加え、 温かみのある、明る目の色に仕上げました。 これから、まだ数回は塗ります。 |
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