removing varnish1 | e-Bay Net-auction ニスの塗り替えT・はがし from old_Vn |
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普通のリペアーでは、ニスの塗り替えとか造りなおしは行いません。
それは、先人の技術を重んじ、勝手に改造するようなことは避けているのです。
そして、リペアー終了後の仕上げには「オーバー・ニス」を塗る程度。
それは、古い、オリジナル・ニスに価値がある場合が多いといわれているからです。
また、ヴァイオリンの通常の「修復」には、英語で{ repair }という単語が使われていますが、
一般のものの修理には[ mending ] や[ fixing ]などが使われます。
でも、ふたを開けてみて大きな欠陥や不具合が見えたときや、
あるいは
板厚など、どうしても自分の音づくりのポリシーに合わないようなところがあった場合、
そして、今回のように基本的なニス色が気に入らず、全部、剥がしてでも塗り直したい場合。
それぐらい、自分の主張で大きく作り替えてしまうような場合など、
私はあえてリメイク[ remaking ](つくりかえ)という単語で表現しています。
赤と黒のVn◇ ニスの塗り替え Via e-Bay Net-auction from The U.K. | |
さて、これは二台とも、昨年末、久々にアメリカのネットオークション、 e-Bay経由でイギリスの出品者からゲットした古いもの。 イギリスですから表示価格はGBP(イギリス・ポンド)。 ◇ どういう種類のニスが塗られていたのか、まずチェック ◆ いま塗られていたニスは、アルコールで溶けますか? ◆ あるいは、アルコールやシンナーでも溶けませんか? そんなことを、ヘッド部分の後ろ側とか、エンドピンの近くなど、 剥がして差し障りのないところでまずチェック。 右の黒い方の例では、極端に黒すぎるニスが塗られていたし、 剥がれた傷が白く見えている。 裏板等・けっこうなフレームは見えるもののニス色が濃すぎて、 その素材の良さがまったく出ていないことから、全・塗り替え。 赤い方も、よく見る色ですが好きな色味ではなかったので、 もうちょっと格調のたかい感じにしたい。 |
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こちらの黒い方は、本体が62GBP(ポンド≒\146、\7,283)、 シッピンが44.63GBP(\6,510) 赤い方が50GBP(\7,293)、シッピングが43.49GBP(\6,344)。 このときの為替が1ポンド約146円、二台で3万円弱であるから、 普通のお父さんが1回ゴルフにいった程度の出費。 |
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左の例でも、板厚が厚そうだし、ニス色が好みのものではないし、 裏板中央のジョイント・エンド側に多少のスリットがあるようだ。 また、エフ字孔やエンドピン・ホールから見てバスバーが極端に短い。 これは、早速、手入れが必要であり、その場で裏板を剥がした。 |
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なんと、剥がしてみたらバスバーがお情け程度の長さで極端に短く、 130mmしかなかった。 |
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黒い方◇ 古いニスの剥がし | |
さて、シンナーでも溶けないものに関しては、既製品の剥離剤(右の写真上の缶入り)を事前に塗ってニスを少しでも緩めておいてから剥離する。 場合によっては、剥離剤を刷毛で塗りつけたらサランラップで覆い、剥離効果を高めるように、しばらく時間をおいてから剥がす方法もあります。 また、剥離剤を塗る前に、あらかじめ320番程度のペーパーでニスの表面にすり傷をつけておくのも剥離剤の剥離効果を高めてくれます。 剥離とはいっても、このニスのように溶剤を含ませた刷毛では簡単に剝げない場合、ご覧のようなカッター・ナイフの刃でつくった鋭利なスクレーパーで塗膜だけを削り取っていきます。 その際、くれぐれも生地を傷めないように、あくまでニスの部分だけを削り取るようにします。 なお、バックに立てかけてあるものはヤフオクでゲットした国産の「木曾フクシマ・3/4サイズ」のもの。 |
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左の写真では、手前のスクレーパーの内、カッターの替え刃(Lサイズ)のもので荒削りしたところ、(とはいっても、生地までは削っていません)。 カッターの替え刃でも普通サイズのもの(手前の細い方)は刃がやや薄い分、いつもなら柔らかな木地の表板(スプルース)用のもの。 最初、この程度に荒削りして剥がしておくと、後の仕上げが楽です。 |
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裏板全面・全体を荒削りしたところ。 | |
荒削りしたあとの、残っている部分を丁寧に削り取ります。 | |
下三分の二だけは、仕上げまで削りしたところ。 | |
荒削りしたあと、リブ部に前の晩に剥離剤を塗り、一晩、おいたもの。 同様に、スクレーパーで丁寧に削り取りました。 |
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裏板側は完全に剥がれていますよね | |
ネック部を除き、ご覧のようにきれいに剥がすことができました。 なお、となりの小さなものはヤフオクからゲットした 木曾フクシマの3/4サイズ、中央部ジョイントが剥がれた裏板。 |
2017年 6月 14日
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