Cello Repair1-6 Back |
バラバラなったチェロの修復 Y |
裏板のつぎは表板の接着
◇ ブリッジ 右の写真、左端が今回あたらしく削って使うもの。 中央と右は、既製品のまま。 デザインはほぼ中央と同じですが、既製品のままでは太く、厚すぎる足をノコで切り落としたり、表板のアーチに合わせ削ったり、A−C線の各弦に対する高さも調整して、リペアー・ナイフで丁寧に削ってつくります。
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トップの厚さはほぼ2.5mm。 各角の面を取ったり、余分な肉をそぎ落とし、形よく成形します。 |
違いを比べるために、いちばん上がヴァイオリン用魂柱で、6mmφ。 二番目が、今回、新しくチェロ用としてスプルースから削りだした11mmφ。(念のため、予備用として2つ取れる長さでつくった。) 三番目は、試し切りした適当な丸棒。 真鍮の金属は、筆者お手製のチェロ用につくった、とりわけスパンを長くした「チェロ用・魂柱キャリパー」。 これで、あらかじめ所定の位置の長さを測っておき、失敗しないために適当な丸棒をカット、一旦、それを装着してみて最良の長さを決定。 それを元にチェロ用をカットしましたから、予備は本当の予備に・・・。 それに、削り上がった駒。 |
◇ 魂柱 |
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最初の、各部品がバラバラの写真から比べていただけたら、 |
試奏しながら、何度か魂柱の位置をずらして調整。 |
1月29日、夜、このチェロのオーナーご夫妻と、それに、紹介者ご夫妻が拙宅に見えられ、完成したチェロを、無事に引き渡しました。 当初が、見事にバラバラだったこともあり、見た瞬間からたいそうよろこばれ、ボクも嬉しくなりました。 チェロを見るご夫妻も、『信じられない!!』といった、なで回すような視線で、しばらく見入っていました。 現在、ご夫妻はコーラスをおやりになっているといっていましたが、 これからは、かって一度、断念したチェロも加えて頑張るといっていました。 ボロボロだったキャンバス・ケースも、早速、ソリッド・ケースに買い換えるのだとも・・・。 置き場所や、日常の管理なども詳しく説明しましたから、 『今度から、仏間がいちばん温度変化が少ないし、いいだろう』と夫婦で話していたり 『線香臭くなるのは、楽器のために悪いでしょうか』なんて、奥さんから真剣に質問を受けたり・・・。 使い手に喜んで頂けるのは、本当に嬉しい限りです。 一生懸命、修復したつもりでしたが、そのやり甲斐もあったというものです。 そして、彼の住む伊豆の温泉地では、たいへん湿度が高い土地なので 『梅雨時を迎え、万一、不具合や不都合があったら、 いつでもメールなり、お電話なり、遠慮なく下さいね』と申し伝え、お別れしました。 |
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