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木製の譜面立て その2 | 木製の譜面立て その1は、こちら⇒ | Back | ||||
02年、暮れも押し迫ったあるレッスン日でのこと。 先生、『すみやさん、ごめんなさい、頂いた譜面立て、壊しちゃって・・』と。 (これは、譜面立て その1です。) 見ると、脚の付け根に不具合ができ、倒したときにできた傷が2、3カ所程度。 『ヴァイオリンなら、割れた表板を修復したことがあるくらいですから、この程度は壊れたうちに入りませんよ』と、修理のために持ち帰ってきた。 もともと差し上げた「譜面立て1号」は、前ページのようにベニヤの板にエフ字孔のモチーフを空けただけのもの。 また、脚も当初は4枚脚で、見た感じもバランスがいいとはいえません。 それだけに暇なときにでも、もう少し、納得のいくものをつくらなければ・・と思っていたことは事実です。 で、今回は一枚板にヴァイオリンのネック・スクロールとほどよく唐草文様を組み合わせた「一刀彫」にしようと考えたわけです。 まずは、写真のように前回同様の外形に、唐草とスクロールをバランスよく配し、左右、中央には額縁をあしらい、 その中に我が敬愛する美人先生のイニシャルT.Y.を入れました。 それを1/2のテンプレートとして、ボール紙に描き、くりぬいて型紙に。 |
今回は、一刀彫のレリーフに挑戦 |
ま ず は 型 紙 か ら |
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彫 る の は 得 意 |
彫るのは意外に簡単! |
型ができれば、あとは板に写して実行のみ。 使った板は、ホームセンターで普通に売っている10×300×910mmの、ラワンのむく板。 外形や不要なところは、あらかじめ角角の要所要所に、6mmほどのドリルで穴を空けておき、それをジグソーでくりぬいていきます。 くりぬいたものに、イメージ通りに奥行きを付けながらレリーフとなるように、平ノミや三角ノミで線彫りしたり、丸ノミで形を整えていきます。 ラワン材は柔らかくて、スパッスバッと切れ、彫るのはたいへん楽でした。 (ヴァイオリンのスクロールは、堅木のカエデで、すごく大変ですが・・・) |
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楽譜を立てる受け木は、写真のようにあらかじめL字型にカットしておき、ボンドで接着。 同様に、立てるバーの受け木も裏側にほぞ穴をあけ、接着。 |
受 け 木 を 接 着 |
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仕 上 げ は カ リ ス マ 美 容 師 |
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木工ができ上がったら、いままで通りニス仕上げになりますが、今回は、少しアンティークな仕上げにしたくて、
浮き上がっている所々に金粉をほどこしました。 イニシャルだけは濃くはっきりとさせ、その他のところはボロ布につけた金粉で、半乾きのニスの上にこすりつけるようにして、 陰影を強調するようにぼかしました。 その辺は、美容師にでもなったつもりで「鼻筋を高く」とか、「ほほにふくらみをつけて」のように、カリスマ美容師のテクです。 そのためか、写真のように、ややブロンズ風な重量感ある仕上げとなりました。 ただ、惜しむらくは、素材がラワン材だったため、表面の質感が荒く、どことなく東南アジアのお土産屋さんで売っているような、 彫刻品のようにも見えたことです。 次回は、素材も吟味しなければ・・・と反省! |
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* | そうそう、脚部はこの前の作から、写真のようにバランスよく、少し幅を広げて大きめにした3本脚に変えています。 ですから、この写真に譜面立て部分だけを差し替えたものが完成品なのです。 差し上げた先生の反応はどうだったかって? それはそれは、もう・・・ 『私のイニシャル入りで、世界にただひとつの譜面立て、嬉しくて、うれしくて・・・ 彫刻に、とてもやさしさと暖かさを感じます』とたいへんに大喜びしていただきましたよ (^o^) まぁおよそ、弟子からいただいた作品を、頭ごなしにけなす師匠はいませんから、読者の皆さんはかなり割り引いてご覧下さいませ。 |
脚 部 も 改 造 |
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