HOME Back | 木工の楽しさ・おもしろさ No.4-1 |
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ウクレレ制作 2002.5 〜
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何 故 か 今 回 は ウ ク レ レ ・ ・ ・ |
関係者との打ち合わせの際、講座で使用するキットを見せてもらったら、学校・教材用品(音楽・工作)としてのもの。 そのため、表板、裏板、側板とも「シナ・ベニヤ合板」を切り抜いただけのもの。 指板はプラスチックの一発・成型品。 ネック、ブロックとも、版画に使うホウノキのような素材で、とくに、ネックには、4カ所に接ぎ合わせのある。 組み立て自体も、接着剤の乾燥時間やニス塗りの乾かす時間をのぞけば、いかにも簡単で、 1〜2日でできそうな中学生向きというようなキット。 価格は、2,500円だということでした。(右の写真) ただ、ここでひとつの問題が・・・。 カリキュラムの作成についても、生徒の前で指導するにあたっても、講師がヴァイオリンを何台かつくったことがあっても 「ウクレレ制作・未経験」では話になりません。 そこで、経験のためと、指導要領を把握するために、事務局からサンプルを一セット回してもらうことにしました。 さて、いざキットを目の前にして開いてみると、あまりに簡単すぎるもの。 「お手本用」としてつくるのだから、その程度の材料なら在庫の端材がいくらでもあるし、 原木から切り出して、ここはいちばん、イロハからつくろうと決心したわけです。 |
教材用・ウクレレ組み立てキット一式 左から、ぐるっとまわっているのが側板、その真ん中にある四角い木片はブロック、その下がテールピース、ペグ、ナイロン弦ほか。
中央が表板、その下が裏板。 |
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もし教室で、生徒の作業に不都合があった場合・・ということも考慮して、そうした際にも利用できるようにキットと同じ形の内型・
外型からつくることにしました。 キットの表板から、内型用と外型用としての「1/2テンプレート」をボール紙に写し取り、切り抜いて作成。(白いボール紙) それをもとに、コンパネに転写、かたち通り、ジクソー゛切り抜いてペーパーで仕上げる。 ネックと表板、側板には、ヴァイオリンをつくった例の「富士山のカエデ」を使用。とくに、裏板と側板には、 独特の斑模様があるものを選んで切り出しました。これは、あえてわたしの手作りである独自性をだしたかったからです。(写真下・右) 裏板は、ヴァイオリン同様、中心線の1/2で切り出すことで、斑模様がほぼ左右シンメトリーになるようにして接ぎ合わせ、ネックはもちろん、一本の素材からの切り出しです。 表板には、マホガニーっぽい(あとでニス仕上げして、そう見えるような)木理の細かい部分のラワン材で代用。 指板とテールピース(緒止め)には、手持ちのローズウッド(紫檀=床柱の切り落とし材)を切って用いることにしました。 キットの側板は、巾がぐるっと一週・一定でしたが、わたしは、ネック側で50mm、エンド側で61mmと、やや下ぶくれにし、 共鳴箱の体積を増やしました。 これは、共鳴させる音量の増大を考えてのことです。 また、キット付属の弦は、見るからに「釣り糸のみちいと 」程度のもの。こちらは、ギター用ナイロン弦のいいものを使うつもり。 それにプラス、有効弦長を、キットが355mmに対して、こちらは370mmと長くのばし、張力をやや強め設定しました。 たった4%の長さのことですが、その効果を期待してのことです。 『講師のお手本につくったものが、生徒のつくったキットより鳴らない』、では話になりませんからね。 |
ヴ ァ イ オ リ ン づ く り の 要 領 で |
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こ こ で も こ だ わ り ま す |
裏板・表板とも、ミシン・ノコで切り抜く際には、テンプレートから写し取った鉛筆の線の外側、つまり、予想仕上がりサイズより、
1mmほど大きめに切り出しておきます。 キットの裏板・表板は合板ですから、すべて真っ平ら。 わたしは裏板のみ、板厚6mmに切り出したその目一杯、ゆるやかなアーチをつけました。 表板も表側はフラット、裏側だけに、許される範囲でアールをとってスライスしました。 ヴァイオリンの16〜7mmの高低差のあるアーチから比べると、たった6mmだけのアーチでが、 これは、内部での音の反響・響きを考慮してのことです。 サイドの素材にも表板同様、写真のような斑模様が入っています。 側板は1.3mm厚、水で湿し、ベンディング・アイロンであらかじめ型通りに曲げておいたものを、 仮付けしてあるブロックに、下の写真のように外枠も用いて、隙間のないように正確に貼り付けます。 裏板のグラデーション(厚味)は、だいたい2.3mm程度で、キャリパーでいちいち測るようなことではなく、 指で触れた感触と、タップ・トーンだけで全体のグラデーションを判定。 3弦の解放音「C」程度に設定。 まぁ、これくらいなら多分、よく響いてくれるでしょう。 |
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側板のアッセンブリーにしても、正確さを期すためと作業のしやすさから、写真・左のように内型と外型も使いました。 気まぐれに、表板にはマホガニー色のニスを薄く塗って、汚れ防止効果と、色具合のテスト。 これで、指板とテールピース以外の、主な部品はほぼ準備できて出そろったことになります。(5/12) |
準 備 完 了 |
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ラ イ ニ ン グ 貼 り |
これまでの写真では裏が分からなかったでしょうが、「内型」の裏側には、ライニングを貼るためのギャップ8mmを、
スペース用の横木2本で持ち上げて、上下ブロックを圧着してあります。 手前側のライニングは、すでにニカワで接着済み、向こう側は竹製の洗濯バサミで圧着中。 このライニングは、ヴァイオリン同様、表板・裏板の接着をしっかり確保するためのもの。 つまり、側板の厚さ1.3mmに、直接、表板・裏板を貼っても、強度が弱いわけです。そこで、2mm厚×6mm巾の ライニングを足すことで、接着面積が1.3+2.0mmとなり、「接着補助材」として機能するわけです。 側板同様、ライニングもあらかじめ水に濡らし、ベンディング・アイロンで曲げて、外周の形をつくっておきます。 |
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ライニングを貼ったら、平らな表板からスプールクランプで接着。 スプールクランプは、ヴァイオリン用のものに8mmボルト・長さ100mmのものに取り替えて流用。 接着後、あらかじめ大きめに切り出しておいた表板・周囲の出っ張り分を側板にそろえてペーパーで削り取ります。 いよいよ、ウクレレの箱らしい形になってきました。(5/13) 以下は、次のページに続きます。↓ |
表 板 の 接 着 |
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