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木工の楽しさ・おもしろさ No.9

油絵の出展額  2007.5.15
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今年も出身高校の『第3回沼商・美術部OB展』の時期になりS、先輩から出展要請の電話。
それで、急遽油絵を描き、出品することに・・・。

昨年までは木工品としてヴァイオリンやヴィオラ、
若いときにつくった木彫品や石膏の塑像を出しましたが、今年こそは油絵で参加。

何十年ぶりにキャンバスを張ったり、固まりかけた絵の具をチューブからしぼり出したり
懐かしいオイルの香りにひたりながら、なんとか20号・二枚を仕上げたました。

でも、F-20(標準サイズ)の出展額は既製品があっても、P-20(細長)は注文品とのこと。

価値のない小生の作品にお金をかけることがしのびなく、それで、出展額までつくることにしたわけです。
















高校時代の昔、みんな貧しかったので、文化祭やクラブ展などでは、
額はキャンバスの周囲に、ただの木の板を打ちつけただけのもの(右のイラスト左・図1.)。

電動ノコを使い、カット幅、切り込み深さを調整しただけで、
少し発展させたのをつくることができるます。

右のL字型のものや、さらに前面縁だけに少しテーパーをつけたものがそれ。(図2.)

モダンな抽象画や、すっきりした半具象的な作品にはこれでも十分でしょう。

そこで、今回は手持ちのF-10号程度の、出展額のつくりを参考にし、
建築・内装資材としての面縁(サンメント・ポール:下の写真)の
手持ちだったものが何十年か店ざらし(在庫)であり、
それを一枚には利用してつくることにしました。

   
図1. 図2.


既成の面縁にも、いろいろなパターンのものがあります。

右の写真のように、ルーターの変形カッターを使うと、
その組み合わせで、様々な断面のものだって自分でつくることができます。

ルーターで、半アールにカットしたもの。
ルーターでカットしてから、電動ノコで細く切ります。













使





まずは、F-20号からつくることに・・・。

上のいちばん太い部材を所定の長さで、
それぞれの先端を留め(45度)にカットし、木工用ボンドで接着。

各角の肉厚の部分には、それぞれ6cmずつ横から三角に切り込みを入れ、
固木のカエデ材をスライスしたものをボンド付けし、「留め」接着の補強にしました。

中側にはキャンバスを差し入れて打ちつけられるように、
図2.の下のような、テーパーをつけたL字型の内枠を貼り付けてあります。

そうしてできたものに、さらに外側には厚さをだすため、
あとから細い木材を貼り付けたのが右の写真。

今つけている木材以外の部分は、水性塗料で2度ほど、下塗りを施してあります。

角の留めは、丁寧に接ぎ合わせます。
クギは一切使わず、すべて接着付けです。
さて、P−20号の方は、手っ取り早い方法として、4mmベニヤを切り抜き、
面倒な45度の接着工程を省きました。

そのベニヤに、内枠を貼り付けたり、外側の周囲には化粧としての
半アールの細淵を周囲に貼り付けているところ。




















使


釘をほとんど使いませんから、あっちを貼ったり、こっちを貼ったり・・・。
何工程にもわたり、重ね貼りします。
我がヴァイオリン工房も、このときには油絵のアトリエであり、
額縁の製作所と化しています。












仕上げ塗装も済ませ、描き上がった絵を早速、入れてみました。

左は「希望」というタイトルの、抽象の習作。

右は古木の根っこに生えている新芽を対比させて「生命(いのち)」という題。
* 
  5月10日、小生の誕生日であるこの日、
沼津市、Gビル8階のギャラリー「四季」に搬入し展示。

先輩や後輩諸氏の皆さんと肩をならべて展示すると、
『馬子にも衣装』下手な絵でもよく見えるから不思議です。














『希望』


『生命(いのち)』

これは、三島市の楽寿園(市立公園)で見た実際の樹。

背景には、フェンスとプレハブの倉庫がありましたが、
あたかも、富士山の三合目のような雰囲気に変えてあります。

根元から生えた小さな、小さな実生苗。

その小さな生命を、毅然として風雪から守るごとく立っている古木。
その姿勢に感動しての作画でした。
  中には、中央の大きな画壇にも出品している作家もおり、
下手でも、参加することに十分な意義がありました。
また、レベルの高いいい作品にふれることは、とても気持ちがいいものだし、
そのことで新たな作画意欲も沸き、とてもいい刺激になりました。

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