ペトリュス、ペトリュス、ペトリュス


1994年、1979年、1977年、1966年
2001年10月28日 秋を充分に浴びた日

このペトリュスを持ち寄って飲もう!という話がでたのはかれこれ半年前になるでしょうか。
7月に一度日が決まったものの全員一致せず、結局、美食の季節、いや美飲の季節の秋に決まったこの日でした。
10月28日の大阪は暑くもなく、寒くもなく、空はちょっと曇り空でしたが、ワインを飲むには最適の昼下がりです。

場所は西宮市の苦楽園口。いろいろとおしゃれなお店が並んでる閑静な住宅街にあるブラッセリー・ピエロで開催されました。

クリュッグ1989、クリスタル・ロゼ、イグレック1979を経て、そして当日急遽参加した
エルミタージュ・ラ・シャペル1990のあとペトリュスの登場となりました。



ペトリュス1994
今年の2月に飲んで以来8ヶ月ぶりの1994。
このときに感じられた若い果実味のミルキーさは無くなり、そろそろ熟成段階に入ったようです。腐葉土に微かに香ばしいオークの香があります。初期段階の飲み頃は過ぎ、成熟期の飲み頃までもう数年待ってみたいですね。

ペトリュス1979
幾度も飲んでいる1979年ですが、衰える事を知らない1979年です。イメージは全く変わっていません。枯れ葉、ドライ・ハーブに加え海藻などの熟成香があります。偉大さは感じられませんが典型的なスタイリッシュのペトリュスです。しばらくはこの状態が続きそうです。完熟期までまだまだ時間がかかりそう?
ペトリュス1977
過去に1度飲んだ記憶がありますが、あまり覚えていません。オフ・ヴィンテージですが、十分楽しませてくれます。1979年にも似ていますが、より優しく柔らかです。完熟したペトリュスです。ペトリュスの特有の鉄分も感じられます。しっかりとまだ芯があります。老熟期のペトリュスまであと少し、という感じです。このペトリュスはこれだけで軽〜く飲めそうです。癖のないチーズとじっくりと飲んでみたいです。

ペトリュス1966 (rebouche en 1997)
さて、本日のメインです。この1966年は澱がなかなか沈まなくて心配していましたが、濁りはありません。これこそ典型的で男性的なペトリュスです。香は1979年や1977年にあった熟成香に加え、漢方薬、そして偉大なワインに良くあるタールも感じられます。熟成したワインにタール感じられればそれは熟成した偉大なワインの証拠です。欲を言えばクリーミーな果実味がもう少しあればパーフェクトに近かかったでしょう。
   
最後にペトリュスと記念撮影です。モデルになっていただいた方々に「すみませ〜〜ん。ちょっと黄昏てくださ〜〜い」とお願いしたのですが、
誰も言う事をくれませんでした。(愚!!)



1997年
2001年7月5日 ボルドーにて
本場ボルドーでペトリュスを飲めるというこの上もない至福に巡り合えました。
一人寂しくホテルの部屋でワインを飲んでいた
訳は最近飲んだポムロールワインを参照してください。昨晩とうって変わって今宵はミニパーティが開かれました。
今日、私が何故この場所に居るのか、、、
それは、
POMEROLのLA FLEUR DE PLINCE、CH.CLOS DE SALLESを見つけてくれた張本人に会う為でした。
日々忙しく欧州を飛び回っているその張本人に会えたのはボルドーに着いて3日目の宵でした。
記念すべき、世紀の瞬間の握手の後(大げさですいません...)、シャンパン・ポール・ロジェを片手に。

ゆったりとした円卓で宴が始まりました。
デキャンタされて出てきたワインはシャトー・パヴィ1982、シャトー・ラフィット・ロートシルト1985。

来年成人式を迎えるパヴィ1982は円熟味も増し、そろそろ親を離れて独り立ちするお嬢さんのようで、
今後の将来を見つめているかのような、ちょっと大人になったんだなあと思わせる感じですね。

一方ラフィット・ロートシルト1985はちょっと生意気さが残っているものの、レディとして自覚し始めた娘のようです。

次にワインが出てくるともつゆ知らず、いつものペースで飲んでいると、またデキャンタに入れられた赤ワインが登場しました。

「さて、何でしょう?」って感じでグラスに注がれ、
「さて、何だろう?」
濃い、まだ紫がかった暗いルビー。
ここが日本だったら「うん!解った!これは赤ワインだ!!」と一息入れるところですが、
白い目で見られるのが怖かったので、ここは我慢、我慢。
ぐーんと引き締まった果実のエキスの強さから結構いいポムロールだと思ったのですが、
「まてよ、ここでPETRUSとか言ってしまうと、もし違ったら嫌味になって洒落にならんし、、、」
「確かパンセ・ド・ラフルール1998があったなあ...」
「それにしてもパワーがあるなあ....これは間違いなくそれなりのシャトーだ。
あっ!そうだセラーの中にオー・ブリオン1998があったなぁ...」
そして飲んだこともない「オー・ブリオン1998だ!」と答えてしまって見事に外れました。

そして正体はペトリュス1997です。
ペトリュス1997年は今年唯一、1回だけ行われたMMCのワイン会(2月)で飲んでいたのですが、
今日のペトリュス1997は若すぎました。
その2月に飲んだペトリュス1997はタンニンが非常に滑らかでひっかかるところがなく酸も控えめでスムースに飲めたのに対して、
今日のペトリュス1997は半分目を閉じたような感じで、かつ存在感が強く威圧感が強く感じました。

さすがペトリュス、よくぞ裏切ってくれた。

4人で始まった宴がいつのまにか8人+1になって
あとは言わずと知れた宴会状態。
ワインを飲んで幸せになるのは日本もフランスも同じですね。

(今日の締めはバシッと決まりましたね。)

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