このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(2)
Chateau Ferrand 1997
Chateau L'Enclos 1995
Chateau Gazin 1955
Clos des Litanies 1998
Clos de la Vieille Ecole 1997
Chateau Guillot Clauzel 1997


シャトー・フェラン 1997 2001年3月18日 

このコーナーもちょっとさぼっていましたが、そろそろ更新せねばと思い、
やっと1ヶ月振りに書くことにしました。
飲んでも何か話題がなければ本当に邪魔くさくなってしまう悪い癖がある
小生ですが怒らずにお付き合いくださいませ。
今日のワインはシャトー・フェランというポムロール・ワインですが、
無名に近いワインです。
面積は12.17haと結構広いシャトーです。
場所的には、、、ポムロールのやや南部にあたります。
近くの有名なシャトーは北側にシャトー・ボー・ソレイユ、南西にはシャトー・ラ・クロワ・デュ・カスがあります。
このあたりの土壌は砂が多く、偉大なワインはあまり産出されません。
どちらかと言うと軽くて滋味のあるチャーミングでちょっとブルゴーニュのようなポムロールワインです。

このシャトー・フェランもどちらかと言うとブルゴーニュのようなワインです。
チェリーのような風味とエレガントな喉越しです。
タンニンは強くありません。


所有者はH.GASPAROUXで他にシャトー・オー・フェラン(CH.HAUT FERRAND)も所有しています。
両方とも畑は隣合わせです。
価格も両方とも高くなく¥3,000前後ぐらいでしょう。


その他(この頃飲んだポムロール)

シャトー・ランクロ1995 2001年3月29日 

珍しく一人寂しく(?)ワイン・バーで飲んだワイン。
非常にバランスが良く、タンニンもまだしっかりして、そこそこ偉大さも感じられました。
近年、良くなってきたような気がします。

シャトー・ガザン1955 2001年3月31日 

何かの宴会(打ち上げ)のときに飲みました。
ボトルの状態はミッド・ショルダー。
コルクはボロボロです。もちろんリコルクはされていません。
味は、まだ果実味と枯れかかった酸味があり、まだ飲めます。
非常に「鉄分」を感じ、「古いペトリュス」に似ているなあっと思ったら、
実はこのシャトー・ガザンは1969年に5ha程お隣のペトリュスに譲ったんですよね。
なるほど、なるほど。

クロ・デ・リタニ1998 2001年3月31日 

続けて、場所を変え、さて何にしようかな、、、
クロ・デ・リタニ1998がありました。
久し振りに飲みました。半年振りぐらいでしょうか。
そのときは日本に着いて間もない時でしたから、バランスも悪く
やたらと酸が強く感じられました。
さて、今日は、、、
「めちゃめちゃ旨い。」じゃないですか!!!!
ミッシェル・ロラン・スタイル(関与はしていません)の味ですが、甘味のある果実味、滑らかなタンニン、
うっとりしました。これきっとパーカーの好きな味。
一緒に飲んでいた「飲んだくれのおっさん」(部長 島耕作で架空の人物(輸入業者)のモデルとなった人)
一口ブラインドで飲ませ、「クロ・デ・リタニ1998だよ。」と言うと、
「へ〜〜!!」と感激しておりました。
やはり1998年のポムロールは見逃せませんね。


クロ・ド・ラ・ヴィエイユ・エコール 1997 2001年4月8日 

今日のワインはほとんど無名の小さなシャトー(クロ)です。
所有者はこの頁トップのシャトー・フェランと同じGASPAROUX(ガスパルー)の所有です。
価格は¥2,000台前半というPOMEROLファンなら取りあえず飲んでおかないと、と思わせる価格ですね。

抜栓してグラスに注ぐと、かなり強い芳香が広がります。
イチゴジャムに酢を混ぜて煮たような(こんなことやったことはありませんが)、、、、ちょっと、、辛い、、、香があります。
味はタンニンも感じなく、赤系の果実がストレートに表れて非常に円やかです。
ハーブやスパイスを感じさせるような複雑味はありませんが、
チャーミングなワインです。

ポムロールのワインは他の生産地区に較べてやはり高価です。
その分、品質が高いという事実は否定できないでしょう。
そして¥2,000台のポムロールワインを探すのは結構、難儀です。
関西の百貨店ではまず売っているところはありません。
¥3,000台でさえほとんど見ることはありません。

さてこのワインのプロフィールは
メルロ50%、カベルネ・フラン50%、
平均樹齢は20年とまだ若い樹です。
自動温度調整機能付きのステンレスタンクで醸し出され
熟成は新樽20%使用です。


シャトー・ギヨ・クローゼル 1997 2001年5月5日 

このシャトーの名前を聞いたことのある方は多いかと思います。
そうです、昨年のワインナート夏号「ポムロール特集」に登場したワインです。
それまでは全くの無名のワインで、今では「幻のワイン」として密かに人気が急上昇しています。
面積が1.7haと少ないことからあまり市場では見かけることも無く、
パーカーも騒いでいないことから、これは「隠れた名酒」とも言うべきでしょうか。
このワインを初めて飲んだのは昨年11月SOPEXA主催で行われた「サン・テミリオン/ポムロール/フロンサック」の試飲会の時でした。
その時にお隣の畑「シャトー・ギヨ」も試飲されていて軍配は「シャトー・ギヨ」の方に上がったのですが、、、

さて、試飲です。
暗いルビー色で、熟したプラムの味と樽の風味がうまく溶け合っています。
これは、ポムロールのエリート・クラスですね。
まだまだ、こんないいワインがポムロールにあるんですね。
嬉しくなってきます。
ミディアム〜フル・ボディで少しアルコールが強く感じられる分、凝縮性に欠けている感じですが、
これは1997年というハンデです。
1998年は、、、もっと素晴らしいでしょう。

栽培品種はメルロ60%という文献もあり、80%(ワイナート)というのもあり、
現在はメルロ90%、カベルネ・フラン10%のようです。(SOPEXA資料より)
畑の位置はル・パンに近い絶好の場所ですね。

このワインは非常に注目に値するワインです。


シャトー・ラ・フルール・ド・プランス 1998 2001年5月10日 

さて、いよいよこのシャトー・ラ・フルール・ド・プランスの登場です。
2月10日に、ここのオーナーであるPierre CHOUKROUN氏からメールが届いてから、
ちょうど3ヶ月になります。
偶然にもこのワインが、ある業者のリストに載っていました。
日本に到着するまでの間、いろいろと情報を収集したところ、
メルロ95%、カベルネ・フラン5%、面積0.28ha、樹齢25年(50%)45年(50%)
新樽使用率75%、14〜16ヶ月。
そして味はエレガントなタイプである。

記念すべき日本国内で初めての抜栓。
まだ到着したばかりで、本来は1ヶ月ほど休ませてから試飲すべきなのですが、
我慢できないので、取りあえず、下見の意味で飲んでみることにしました。

ボトルはラ・モンドットと同じボトルで上部が太くなっています。
コルクを抜いてびっくり!!長いコルクです。54mmを使用しています。
最近のグラン・ヴァンのコルクが短くなってきているのに失望していますが、
これはポイント・アップですね。

色は暗いルビー色です。想像していた以上に濃い色です。
ブルーベリーやスパイス、古典的なポムロールの要素が感じられます。
味は、やはり強行突破してしまったので、荒々しさが残っているものの、
しっかりとした力もあり複雑味も備えています。
タンインはドライで、今流行りのストロング&スイート・タイプではありません。
これは古典的なポムロールを少し垢抜けしたような感じです。
飲んでいて、飽きが来ないのが非常にいいですね。
少し休息期間を与えたら果実味のうまみがもっと上がってくるでしょう。
テロワールの良さと造り手の哲学とが生み出した傑作です。

ワインが落ち着いた頃にもう1度飲んで見ましょう。

このシャトーは名もない畑で、前所有者のプライヴェートワインでした。
1998年に現オーナーが所有して初のヴィンテージとなりました。
「高品質のワインを造りたい」という情熱を持って、彼の全ての時間がこの
シャトー・ラ・フルール・ド・プランスに注がれています。

最新版のパーカーのワイン・アドヴォケイトには2000年が初めて登場しています。
A sleeper of vintage. (87-89)の評価です。

ポムロール・ファンならば、やはりセラー・リストに加えたいアイテムですね。
生産量は155ケース、そのうち39ケース(468本)が日本へ来ました。
もうすでに2ケースを買い込んだワイン・ラヴァーのかたがいらっしゃると聞きました。


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