和博 ◎破れ芭蕉陽も切れ切れの古道かな 粉花の丈長くして坂の道 曼珠沙華人無き島に日の暮るる 武甲 ◎かくれんぼして待つ不安破芭蕉 限りある命を諭し曼珠沙華 待宵八年越しの金メダル 美穂子 ○立て看も無くキャンパスの曼珠沙華 ○破芭蕉垂れて海宿凪ぎに入る 秋時雨紅拭き通夜の客となる 馥郁とボージョレヌーボー妻の恋 千恵子 ○秋時雨数へて降りる駅階段 ○葉脈の沿ふほかはなし破芭蕉 切り妻の壁に鏝絵や曼珠沙華 |
希覯子 ○手当待つ満身創痍の破芭蕉 林中に幽霊花の白一花 捕獲車に野犬屯し秋時雨 保税庫にボジョレヌーボー積まれけり 保存する会へ喜捨もし曼珠沙華 正 赤き服好みしははや曼珠沙華 破芭蕉老後に残るものいくつ 爽やかや金のテープを切る笑顔 一杯のボジョーレヌーボよりの恋 箏円 破芭蕉闇より魔王手招きす ねぢれゆるりとりんだうの花ひらく 医学書の重きを閉ぢて虫時雨 明 無花果に幼き頃の香をしのび ボージョレにアラブの生活写し見る 白美 狷介な性格もあり破芭蕉 翠月 ボジョレヌーボ含みし口の幸に酔ふ |