164回原宿句会
平成15年2月5日
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白美 しりとりで唱ふ子どもら猫柳 海苔乾くトロリーバスのありし町 豆残す齢となりて節分会 市ヶ谷の坂に迷ひて春の雪 手暗がり気にせし母の針供養 千恵子 見残して去る深吉野や春の雪 旧姓で呼ばれ振り向く針供養 波くると声をとばして海苔掻女 鬼やらふ幼なき声のこもごもに 雨粒の銀に弾けて猫柳 美穂子 青海苔の椀に解かれて海生るる 寒明けの顳かみに聞く血の流れ 漏るる灯を花穂に宿し猫柳 つかのまの花を川面に春の雪 針山の繕ひをして針供養 |
和博 青海苔の岩に化粧の下がり潮 春雪や猫の伸びする勝手口 指先の皮膚固き母針供養 豆撒きや裃赤き年女 猫柳撫でてもとほる廓町 翠月 流れなき沼に流るる浮寝鳥 踊り子の髪のひかりや猫柳 落ちさうで落ちぬ茜や名残り雪 民宿の青海苔の香の朝餉かな 平凡な方便の幸や針供養 筝円 枕木に吸ひこまれゆく春の雪 青のりや引き汐はるか光る浜 あどけなき指読む点字猫柳 針供養藍に染まりし爪の先 紅さして春の割り込む憂き心 |
利孟 春の雪舌に風湧く薄荷飴 後れ毛もなく結ひ上げてお初髪 げんまんの指先荒れて針供養 青海苔の風の素通る干し簀かな 笛袋覗ける手提猫柳 希覯子 天を差す槻の細枝春兆す 春の雪羅漢の顔の喜々として 猫柳池の心の字指で追ふ 青海苔をたぐる女の黒づくめ 春の雪雨戸につくる水鏡 正 早発ちの客に榾焚く御師の家 猫柳川面に山の湯の烟り 清兵衛の背ナにやさしく春の雪 針供養帰りに啜る江戸汁粉 青海苔の色を戻して通り雨 |
比呂史 青海苔に手櫛を加へ風通す 活け込みし一枝の飛び出猫柳 煌きの処どころに春の雪 書院には書院の光春日射す 針供養母の朱塗りのお針箱 |