第176回原宿句会
平成16年2月5日
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千恵子 風狂はわが家の血筋抜詣り 節分会懐石膳に鬼面の麩 大きなる眼虚ろの潤目かな 尼寺の磴に影おく梅一枝 白鉢の底に白魚澄んでをり 希覯子 受験子の願ひの絵馬に誤字一つ 梅見茶屋大鉄瓶は湯垢たむ 雪圍ひ仮標札に猫の名も 貸切のお座敷列車お伊勢講 丼も皿も色つき白魚食む 白美 白魚の躍る椀手に鬼女めきぬ 受験子の鉛筆の芯尖りたり 畳目に豆の隠れて鬼やらひ 源平梅闌けたる峪に戦さの報 素通りの恋路が浜や伊勢参り |
美穂子 挨拶はお国訛りで伊勢参 盆梅の今朝の枝垂れを測りをり 薄ら氷の光る轍や採石場 白魚の目までが水に紛れをり 香を追ひて曲がりたる路地夜の梅 筝円 白魚や総身の色を目に凝らす よごれ猫梅林未だ色の無く かざぐるま地蔵に光揺れ奉る せせらぎは筝の音なり伊勢詣 キャンパスの老樹に触れて受験の日 武甲 赤福の番茶で終はる伊勢詣 白魚や美談をはやす人の性 立春や出小手の剣の小気味よし 節分会産地を記す豆を買ふ 老梅や「涙そうそう」のものがたり |
美子 観梅の賑はひ昔捨て児あり 甲高く魚屋白魚薦めけり 立春や妻呼ぶ鳥の首太し 受験子の夜行に乗りて上京す 共に病んで従兄弟夫婦の伊勢詣 利孟 むめが香や親のうたへぬわらべ唄 白魚の小鉢の水を奪ひ合ふ 改札を出でて受験子激励旗 検札にをんなの車掌伊勢詣り 職辞さぬをとこの多弁日脚伸ぶ 和博 梅に来し小鳥数多や予後の椅子 椿一枝寄辺の水に浮かしけり 姦しく帰一倍一伊勢詣 蝋梅や乾いた日々の続きけり 白魚や新妻流しに佇ちにけり |
正 紅白の梅の彼方に富士の嶺 喉すべるしらをに生を満喫す 馬ならぬ膝栗毛で行く伊勢参 せせらぎに光る木洩れ日春の水 青春の思ひ出苦き受験かな |