第177回原宿句会
平成16年3月9日
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千恵子 吹きながら淋しきものにしやぼん玉 紙雛を置いて無人の交番所 苗木植ゑながら余命を数へけり 朱の椀に蛤花のやうに開く 師と仰ぐ人は山住み西行忌 希覯子 銀猫の行方は知れず西行忌 橋の名に地名人名水温む 石鹸玉跳んで渡れぬ溝越ゆる 苗札をつけたるままに苗木植う 蛤鍋や地酒のうまき桑名郷 美穂子 しやぼん玉一つひとつに街揺れて 樹となるを空に計りて苗木植う 一針の眼の猿も吊し雛 蛤の香で客迎へ船着場 山にはや彩の広ごり西行忌 |
白美 しやぼん玉吹く子しかめつ面をして 焼蛤コーラスのごと口開く 三椏や門に衛視の財務省 師より受く長寿の祝ひ苗木植う 山積みの転職雑誌西行忌 和博 おちよぼ口似たる母娘よ石鹸玉 春寒やカフス片方見当たらず かはたれと想ひを馳せて西行忌 三椏や迷ひながらの船出して 蛤の汁をすすりて海女の小屋 箏円 転寝の蛤潮に運ばるる しやぼん玉上りて紺き玉となる 駄目押しの水注ぎ入れ苗木植う 西行忌自在に動く鳥の首 遠ざかる影に追ひつき春疾風 |
利孟 ペンに充たす青のインクや西行忌 苗木植う父祖の手掛けし木々の間に 残り飯ぬくし蛤汁熱し 二次離島航路の小船春一番 息続く限りの数の石鹸玉 正 初花に急かるる心西行忌 金婚や蛤二つのすまし汁 子と吹いて子供に戻る石鹸玉 麦踏むやデフレ脱却遠からじ 大木になるかならぬか苗木植う 美子 せりあへる中よりはぐれシャボン玉 大気流華の曼陀羅西行忌 妹の墓に新種のチューリップ 蛤をにじる十趾に力満つ 三軒の家それぞれに苗木植う |