第178回原宿句会
平成16年4月7日
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白美 田楽の串振り語る三国志 春雷や硝子越しなるキスをして 冠を背に負ふ稚児の花祭り 桜草咲いて明るき沼となる 春休みアニメばかりの映画館 美穂子 控へめに書く督促状万愚節 山起こす風の連れくる春の雷 田楽を乗せ舟型の竹の皿 土提下りる足の危ふささくら草 尼寺址の石に一輪仏生会 利孟 新しき町はひらがな桜草 行く刻のぬるさを芯に味噌田楽 花祭年少組のてんでの背 眼鏡掛けたること忘れ四月来る 春雷や人の顔見て逃げる猫 |
武甲 地図になき砂漠の雪解水の河 田楽や店を貸し切るロケ現場 ガレージで開くバザーや桜草 春の雷出会ひて後の仲直り 秤なき命の重さ花祭 箏円 田楽や土間にころがる赤い下駄 桜草写真添へたる内祝 花祭り口のひしゃげし紙コップ 畝山に息吹の兆し春の雷 注文のランチ待つ間のめかり時 正 沙翁劇見ての帰りや春の雷 田楽を頬張り味噌の顔となる 入相に雨となりけり灌仏会 ちひろ描く少女のひとみ桜草 仏壇へ子の手の伸びし桜餅 |
千恵子 歯科医師の大きなマスク桜草 田楽や茶屋より見上ぐ天守閣 夜桜やそば屋の角の道標 和尚さんは園長先生花祭 雲ごめの空よりこぼれ春の雷 希覯子 春雷や句読点無き頌徳碑 花祭り一姫二太郎稚児の中 花筵リュックザックはさくら組 田楽串紋次郎の爪楊枝 和博 望まれぬ子の笑ひ声花祭り 闘病てふ言葉の力桜咲く 春雷や臥せた子の手を握りしめ 隠居して田楽焼きと昼の酒 勤行の後の尼僧よ桜餅 |
美子 春雷や歯茎の小骨舌で抜く 味噌田楽あり「マス」旗が風に揺れ 花衣軽きをまとひ闊歩する 浴の水艶やかに落つ花祭 馬の背に任せる股や桜草 |