第181回原宿句会
平成16年7月8日
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利孟 星合ひの十七光年てふ近さ 茹小豆白に色ある和三盆 夏休み青春切符は歳問はず 梅雨明けの潮の香生まる舟溜り 香煙の縁に這ひ出す夏座敷 和博 艇庫よりペンキの匂ひ夏休み 綿雲や少し煮崩れ茹で小豆 野牡丹のきりりと色の溶け合はず 幼子の尻紮して星祭 梅雨明けて雲の白さの加はれり ひたすらに自転車を漕ぎ水着の児 京子 あどけなき願ひ代筆星祭り 鉾町の稽古囃子や梅雨明ける 談合の机の隅に茹小豆 水打って商いはじめ灯の入る 旅かばんおいて始まる夏休み |
希覯子 戸を繰れば網戸まつはる重さかな 鉄棒にさび浮き出でし夏休み 茹小豆父は生涯下戸なりき 梅雨明や屋上稲荷人集ふ 階上と階下世帯異なる星祭り 武甲 吊るし干す通学シューズ梅雨晴間 ささやかな願ひの重み星祭 きびきびと林間学校開校す 茹で茄子や学校長の手打ち麺 足繁く通ふ図書館夏休み 美穂子 歳しかと記されしカルテ夏の風邪 子の部屋の窓の全開夏休み 七夕竹総身で担ふ子の願い 茹であづき掌に冷えもらふ銀の皿 十薬や墓地迂回する遊歩道 |
千恵子 茹小豆祖母の矜恃の白エプロン 玄関に子の靴どかと夏休み 抱き上げて子に触れさせる笹飾り 明易の宿に沢音聞いてをり 老鶯や名水自慢聞きをれば 白美 梅雨明けや木屑払ひて能面師 兵児帯を締め直してのパナマ帽 サンバまで飛び出て町の七夕祭 また増えし見知らぬ従兄弟夏休み 昇進を寿ぐ下戸の茹で小豆 正 太白のひときは光り梅雨明くる 緑蔭のテラスに朝のカフェ・オーレ パリジャンの巴里でなくなり夏休 茹で小豆入りのパン売る物産展 人待てば裳裾の濡るる星祭 |
美子 一日の踝休め茹小豆 日赤の縫製奉仕乞功奠 空梅雨の明けて根菜下げ帰る 夏休暇計画立てぬ旅に出る 希ふこと祈りに近し星祭 |