第199回原宿句会
平成18年1月11日

   
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 直人
酔ふほどに母が歌へる手鞠唄
傾ぎたる初荷初荷とすれ違ふ
柏手の高く響きて淑気満つ
書初めや墨の匂ひにあらたまる
提げた数だけの夢買ひ福袋

 白美
岩礁のはじく白浪淑気かな
駆けて買ふこと面白き福袋
書初や赫い扱帯を襷掛け
湯気立てて上中下巻の本を読む
手鞠唄養女になるという話

 美子
貫之の臨書から入る筆始
淑気満つ男が拭きし窓硝子
襞多きスカート被せ手毬唄
母娘てんでに下げて福袋
亡き妹の歳はそのまま初観音

 恵一
書初や太く大きく犬と書き
格子戸を開ける響きも淑気かな
なめらかに逸れた手毬を追ふ手かな
大人びて聞える巫女の手毬唄
用不用あはせて詰まる福袋

 正
銘墨のほのかにかをる淑気かな
福袋開けて目覚めし初枕
人日やハチ公前に人群れて
そのかみの世田谷小町手毬唄
自詠句に古墨を下ろし筆始

 利孟
井の底にゆらめく光淑気かな
嵩ばりを福のひとつに福袋
スカートに毬入れて止む手鞠唄
風溜まる丶に氷の心字池
筆始め座右の硯を子にとられ

 武甲
曾祖母に抱かれし写真手毬唄
振袖に幼な児を抱き成人祭
鉢巻で淑気を縛り塾詣で
列につき数の気がかり福袋
書初や一筆書きの師の言葉