第200回原宿句会
平成18年2月7日

   
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 美子
先づ雄雛置きて整ふ雛の位置
竹箒撓むばかりや春の雪
幼児の破顔一笑実万両
宴席も中締めとなり五平汁
人声に寒鯉影のやうに浮く

 かめ
鮟鱇の吊るされて身を正しけり
春の雪固く閉ぢたる鳩の羽根
寒鯉の水黒々と動かざる
豚汁にしばし無言の河川敷
万両や稚児の泣声主張せり

 白美
鬼打の豆を探して庭の鳩
寒鯉の水に幽閉されてをり
粕汁や頬をまつ赤に母娘
万両の実の赤くこぼる庵かな


 利孟
寒蜆掘りのまづ抉ぢ舫ひ竹
芝の枯ればかりを隠し春の雪
一瞥し戻す令状実万両
寒鯉や株価チャートに髭生えて
腑抜けたるだま呑み下し粕の汁

 恵一
もう一度会つておけばと根深汁
寒鯉や水面に風のふきすさぶ
水切りの石寒鯉を呼び覚ます



 正
退院の舌にしびれしふぐと汁
決起せし兵に告ぐ文春の雪
寒鯉や気の合ふ同士寄り集ひ
一雨を得て木々芽吹く山居かな
本陣の残る宿場や実万両

 直人
木履の音の切れぎれ春の雪
縺れしも時に委ねて寒の鯉
ちり鍋や皿取る指の触れ合ひて
寒椿曲がりし角の枝折かな
雪積みてただ万両の赤のこる