東 人 木の橋の魔除けの護符や花木槿 高麗人の裔の耕し胡麻の花 空蝉に雌雄ありけり高麗神社 流れては杭に隠るる水馬 神杉の山に道なし日照雨蝉 伊代子(荒田) 七変化変化の果の錆びにけり 堰水の平に迫る大緑蔭 二の鳥居次第に深き青葉闇 緑蔭に埴輪の胸の豊かなり 餌に集ふ緋鯉綾なす神の池 希 覯 子 白靴のドレミファ橋を渡り来る 高麗の里茗荷盗人許されよ 夏の蝶ハングル文字の絵馬懸る 白木槿若光王廟屋根構へ あめんぼう逆らふごとく遡る ま こ と 蜘蛛の圍の東司に入るを拒みけり 胡麻咲いて高麗の里人雨篭り 高麗川のドレミファ橋の子等の夏 名鐘の高麗の風韻涼醸す 池溽暑樹影欝々深濁り |
英 樹 頭まで濡らし茗荷を摘みにけり でで虫をつつけば泡の吹きにけり 夏草や声上げて詠む東歌 巾着田の杭に帽子や夏燕 びしょ濡の蝉の脱穀てのひらに 京 子 翅閉じて束の間の閑夏の蝶 高麗聖天白きむくげの潔さ 浮袋人なき店に吊されて こぼたれて野に座す燈篭玉さんご 空蝉のか細き肢に糸の雨 麗 水 高麗さまの緑陰の句碑季語を欠く 菅笠に喜雨いたりたる大師像 かの世より高麗王青田みそなはす 堰鳴って水飛ばしをり出水川 葉先より葱黄となりし土用畑 |