兼題 桜 踏青 メダカ 席題 接ぎ木 |
東 人 木を締めてより霧を吹き接木かな 青き踏む奈良にをさなき阿修羅像 夕桜でんでんだいこ抱き眠る 鰭で抱く恋の目高の裸身かな 利 孟 ブラウスの貝の釦や青き踏む たも網の首の曲るや目高追ふ 窄めたる口にくはへし接穂かな 後ろ手の掌を組み替へて桜守 希 覯 子 目高飼ふ小児病棟餌当番 車椅子押して青きを踏みにけり 露天風呂排水口に花の塵 砧選る口に銜へし接穂かな 英 樹 十年経し父の接木の瘤太し 青き踏む先へ先へと吾子走る 鳥影に驚きやすき目高かな まなうらに父の薄眉花篝 |
千 恵 子 掬はれて掌の池泳ぐ目高かな 接木する父に来年しかと来よ サイレンを遠く聞きつつ花見かな よく笑ふ素足の子もいて青き踏む 白 美 接き木する寡婦の薬指の指輪かな 三つ編みを編みつほどきつ青き踏む 香具師の声響きて桜月夜かな 目の細き従妹の脚に目高かな 梅 艸 桜月夜Eroticismと綴りけり 山桜万朶三日のココニイルゾ めだかスイ苦もあらんものをめだかスイ 五一%のとまれ自足か青き踏む 武 甲 巡礼の白装束や青き踏む 接木する老父に民家の影迫る 浜風や球児の運ぶ花便り 目高追ふ新任教師の白き足 |