飯能観桜吟行会 西武線飯能駅。割れ石橋・河原・能仁寺・桜祭植木市 ・市民会館・飯能神社・飯能旧市街・飯能駅 |
東 人 乾きゐし天水桶や花曇 白塗りの軒の木口や鳥曇 ここよりは各驛停車花大根 花衣男斎木を撫してゆきにけり 花散るや手相をさらす阿形像 芽柳や葭簀のなかの行き戻り 花蘇枋火の見梯子は段切られ 利 孟 野遊びの竈に薄き炎かな 植木市荷台にくくる土袋 芽吹けるや木守りの柿の蔕残し 一流しして鮠釣りの移りけり 白木蓮や火の見櫓に干すホース 赤きリボンふららこ高くたかく漕ぐ バス停の古き桜の盛りかな 杜 子 鍋貸して薪は売る店桜狩 咲き満ちて桜の木肌ぬくきかな 春昼や庭に据ゑ置く鬼瓦 幹黒く武州の桜咲きにけり 草木瓜の花の色なり土手の赤 バーベキューの煙あちこち花曇 鳥交る喜志子の歌碑の文字読めて |
英 樹 奪衣婆の真っ赤な舌よ花の冷え 花曇花のかたちの茹で卵 庭園を眺めてよりの花疲 吊橋をくぐりて花の人となり 花曇ホースのさがる火の見台 池底に田螺の道の幾筋も 水草生ふ天覧山を借景に 伊 代 子 花の宴焚火上手で調理役 咲き満ちてまだこぼさざる花の山 その昔戦の山に青き踏む 花の山童形地蔵に十円貨 花の名をきいて買はずの植木市 拝観の寺苑に一つ落椿 浮島の倒影乱す残る鴨 麗 水 春風の竹林へ来て音生めり 会の名に石並べ置く花筵 吊橋のはるか低きに花の雲 花冷やモデルは古木かかへたつ 淨財を献じし寺庭水温む 花よりもモデルを圍む人さはに 車輪沈む河原の砂や水温む |
希 覯 子 あめんぼう秘園を己が天下とす 花莚場所の主の小石文字 足跡を消す術知らぬ田螺かな 半弧描く割岩橋や花川原 槻小枝かげろひてをり能仁手ら 残り鴨オロシヤの国を知らざりき 花の下鉄腕アトムいざ翔ばん ま こ と 春愁や歪に開くる壺の口 釈迦如来花見酔態みそなはす 蝶翔たし三味線草は風の草 満開の花風を海混み合へる 揺らすほど風の重さの花の枝 見おろしつ満開の花目が無数 風運び去りては戻り花の冷え 氷 川(渋谷) バーベキュー約男料理の花見かな 初対面すぐ昵懇の花吟行 ときどきに水面皺めて水馬 築山に読経のひびき春うらら 花曇仏魔を防ぐ阿形の手 水馬脚ふんばって跳ぶ一寸 紅椿落花の色を失はず |