第221回四天句会
平成19年11月16日
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兼題 立冬 鍋焼き 酉の市 席題 千両 |
正 立冬や書棚に眠る昆虫記 千両や音に艶ある糸捌き 煮凝や蝦夷地に波の高きころ すれ違ふなじみの女将酉の市 やきもちや鍋焼饂飩に舌を焼き 白美 お多福の顔善きを選り酉の市 立冬や眼鏡のつるのやや固く 鍋焼きを喰ふや朱肉に汚る指 志ん生の噺ラジオで実千両 風花やレンズのごとき馬の眼 美子 立冬の路地より猫の大股に 福の神担いで軽き酉の市 鍋焼の手を止め佳境に入る話 形見分け新米の荷に鷺の帯 蹲の水枯渇して実千両 |
利孟 手締めの手貸すにご利益酉の市 鬼平が役宅ここと実千両 立冬の人の列なす水汲み場 海老の尾の跳ねて鍋焼煮立ちけり 蹲踞の水地に吸はれ秋深し 耕平 立冬や湖面に鳥の曳く小波 釣り船の釣竿あまた小春凪 鍋焼の玉子を染める七味かな 散り敷ける金木犀の香りかな 小気味良く響く手締めや酉の市 比呂四 鍋敷きにのり鍋焼の沸々と 立冬の朝やポキポキ肩鳴らし たかだかと掲げかつこめ福熊手 焼藷を腹に抱へていやさるる ひだ割れのアスファルトより実千両 |
義春 酉の市闇に手締めの重なりて 立冬や表通りへ襟立てて 老父母に菊一鉢の置き土産 鍋焼の蓋の穴より湯気強く 実千両活け八畳間を明るくす 恵一 古城跡山茶花の散りたまりけり 千両のしづくに銀のうれひかな 酉の市ヨーヨー釣りに客なくて 立冬の径に着信メール音 鍋焼に箸あらあらし名奉行 武甲 予告なき避難訓練冬立つ日 鍋焼の落とし卵を絡め食ひ 酉の市大商ひの手締めかな |