第２３５回四天句会
平成２１年１月２１日

　 　

兼題　初鏡　草石蚕　福寿草 席題　寒夕焼け

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美子 寒夕焼切絵のやうにビル立ちて 床飾り咲かぬも交じり福寿草 目尻上げ口角もまた初鏡 元結を簪で掻き三日はや 黒豆にかぶくものあり紅草石蚕 　 武甲 呼び鈴に飛び出す犬や福寿草 百歳の笑顔の写真草石蚕食ぶ 紅を引いてもらふ喜び初鏡 見え隠れする富士見つけ寒夕焼 寒中の掛け声に舞ふ剣士かな 　 恵一 寒夕焼赤城より降る風痛し 成人の日や溌剌とビール飲む 初鏡朝焼け雲を肩越しに 黒豆に紅一点となる草石蚕 日溜りに鉢を移して福寿草

義春 渦巻きて運気の昇る草石蚕かな 初鏡しみじみ染みと皺をみて 陽光を掻きいだきゐる福寿草 鮟鱇の並び布袋の如き腹 友垣と語らふ故郷の寒夕焼 　 利孟 一撫でに髪をととのへ初鏡 寒夕焼燃ゆれば青み富士の影 薹長けて日脚をかぞふ福寿草 草石蚕食ぶ部屋隅にある綿ぼこり 初鴉煙を火とする火吹き竹 　 比呂四 皆がみなマスクを掛けて会議室 重箱の隅に草石蚕の残りゐて 襟足をいささか広げ初鏡 福寿草避けつつ歩む歩を進め