第248回四天句会
平成22年4月21日

   
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兼題 桜鯛 水温む 行く春 
席題 燕来る



  美子
人あまた行き交ふ駅舎ツバメ来る
樹木医の尽きぬ蘊蓄水温む
舟盛りの尾まで艶めき桜鯛
行く春や背負はれてゆく大師像
無住寺や土竜の盛りし土饅頭

  恵一
大いなる河馬の欠伸や水温む
桜鯛掬へば手網の玉散らす
東大寺の鴟尾を掠めて燕来る
行く春や釣人の魚籠重かりき
受話器とる新入社員手がふるへ

  利孟
ファウルボールはまる小川の水ぬるむ
草萌ゆる0番線は待避線
場外の寿司屋朝より桜鯛
逝く春や欝といふ字が書けませぬ
軒下の無きビルの街燕来る

  武甲
行く春や塾の散らしの合格記
開店を待つ人の列花の雨
新夫婦よりの絵はがき桜鯛
燕来る窓一枚は開けたまま
病室に広がる笑ひ水温む

  義春
燕来る城下老舗の海鼠壁
瀬田川の面のうねりや水温む
行く春の川に花片の筋ひきて
瀬戸内の潮の早さや桜鯛
筍の穂先や朝の大地かな