平成２３年６月１５日
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兼題 御来光 栗の花 梅酒
席題 白靴
あや乃 仕立屋の重きアイロン額の花 白靴のをとこを拾ひバス去りぬ ならび立つ誰もがいとし御来迎 学園の裏は荒れ山栗の花 日付箋に廻る追憶梅酒瓶 武甲 御来迎樹海は未だ覚めやらず 湯上がりの髪生乾き冷梅酒 栗の花吹き出し笑ふ木立かな 研ぎ澄ます巡視の五感梅雨出水 黒南風や防災無線の予備放送 恵一 栗の花匂ふや父の病みをれば 路地に入る声の艶めく金魚売 爪先を立て白靴の試し履き 図らずも掌を合はせけり御来迎 梅酒壜底の砂糖を掬ひ舐む |
義春 万歳の声天空に御来迎 女学生猪口の梅酒に酔ひにけり 砲台のグリーン囲ひ栗の花 白靴の父の大声徒競走 麗人の内なる妖気罌粟の花 雨竜 梅酒瓶の埃を払ひルビー婚 坂をゆく人の歩幅に夏来たる 駆け出せる子に白靴の父のゐて うすれゆく霧に座しゐて後来迎 道なかば追ひ廻されて栗の花 利孟 毬と化すでもなく細く栗の花 青梅の瓶の新たに梅酒棚 陰干しの白靴に塗り白き墨 胸元を照らすぬくさや御来光 岩燕ビルの高みを遊び場に |
