第263回四天句会
平成23年7月19日(火)
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兼題 木下闇 金魚 ソーダ水
比呂志 暫らくは息を整へ木下闇 置石の泡ひと粒を吸ひ金魚 息継ぎもなしに飲み干しソーダ水 野天湯に半身曝し河鹿聞く 荒療治して連休の夏の風邪 あやの 物言はぬ店主の愛づる金魚かな 列車待つ暗き茶房のソーダ水 下闇を抜けきらめきの山上湖 怪談の暫し途絶えて河鹿笛 烈日に色水さらし昼寝中 武甲 前置きの長き言ひ訳ソーダ水 寝付かれぬ子らの声やみ河鹿宿 トトロ棲むはずの里山木下闇 猫の目を避け反転の金魚かな 山頂の雲のちりぢり梅雨明ける |
恵一 木下闇水の響きのいずこより 梔子やぬかるみに押す車椅子 海風やテラスの卓のソーダ水 河鹿笛宿の手摺にもたれゐて 病む金魚泳ぎはじむや鉢を出づ 雨竜 紫陽花の色に色足す朝日かな 傾けば出目金の目のこぼれさう 木下闇蔓の絡まる鉄の椅子 ソーダ水雲の晴れ間の滴かな 河鹿鳴く水の光の中にかな 義春 世の中の音はそこまで木下闇 明るさの残る屋上暑気払 コバルトの海部屋にまでソーダ水 深井戸の水を盥に金魚売 河鹿笛ランプで過ごす山の宿 |
利孟 長土間に布引く染め屋梅雨湿り 河鹿笛唐臼日がな搗く陶土 ポイといふ魔物に追はれくづ金魚 這ひ上がる蔓に重たき木下闇 ストローを吹いて滾らせソーダ水 |