第319回四天句会
平成28年3月15日
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兼題 蛙の目借時 すみれ 春の雪 席題 花筵 |
利孟 襟立てるばかりの支度春の雪 目借り時書店名入りの紙栞 老人会総出パンジー並べ植ゑ 春の雨街角に向くカフェの椅子 スマートフォン取り出して守り花莚 あやの 胸高につけたる袴春の雪 目借り時煎じ薬の滾るまま 石蹴りの大きな桝目遅日かな 外にまだ子供らの声鰆焼く にほひすみれ葉陰につぼみ潜ませり 雨竜 指さして指先程の花すみれ 花筵輪の中央の酒の瓶 卒園式赤いリボンの記念品 肩先の触れては離れ春の雪 図書館の窓辺の席の目借時 |
武甲 塗りたての百葉箱や花すみれ 思案顔よそひ蛙の目借り時 縄跳びに弾ける少女山笑ふ 春暁の北へと夢の超特急 春雪や異動内示の電話来て 義春 雲の間に霞む日輪春の雪 用水に遊ぶ小鮒や風光る スパイクにほげたる芝生花菫 目借時昼より酌める吟醸酒 花筵声で盛り上げ若手かな 比呂志 場所取りの酒を四隅に花莚 パソコンの字面を追ひて目借時 一と払ひして振り落とす春の雪 墨糸の線の傍らすみれ咲く 遠足の車窓に子らの張りついて |