第３１８回四天句会
平成２８年２月１６日

　 　

兼題　木の芽　巣箱　椿 席題　金縷梅

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利孟 釜鳴りにほどけて床の白椿 ペンキ屋の跳ね染むズボン木の芽吹く 巣立ちまで巣箱の底で見上げ穴 雉子鳴くや洗車フェンスに囲はれて 金縷梅や花咲か爺は杖ついて 　 あやの ココココと声立て蟇の出で初むる 筒型に椿仕立ててビルの街 枝覆ひ隠して古りし巣箱かな 劇団のビルの窓開き木の芽風 まんさくやオムレツふはと仕上がつて 　 義春 寺男掃きゆくあとの落椿 ポケットにフェリーの切符焼栄螺 子供会一人一個の巣箱抱き 青春の気力充実木の芽山 蝋梅や葉つぱは黒衣先に落つ

恵一 金縷梅や谷のチャペルのチャイム鳴る 木の芽風二部合唱の校舎より 鈴懸の並木に巣箱ひとつづつ 宙返りして空見上げ落椿 もつと口開けてと歯医者ドリル冴ゆ 　 比呂志 すり鉢に満てる香りや木の芽擂る 心地よき巣箱の小さき出入ロ 落椿転がし寄せる竹箒 金縷梅に庭の明るくなりにけり 日本酒の野外イベント二月尽 　 雨竜 まんさくや鬼ごつこの声交差して 空青し巣箱の中の暖かさ 木の芽時高尾の山より望む首都 初雪や積もりて深き靴の中 首紐で犬を引き連れ落椿