平成２９年２月１６日
第３３０回四天句会
平成２９年２月１６日
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兼題 クロッカス 春の雪 冴え返る 席題 梅 |
利孟 風に香をわけてはこぼれ梅の花 日溜りに寄りて待つバスクロッカス 畳目の足に喰ひ込み冴え返る 名残雪腕にタトゥーのパブの客 春の雪三嶋女郎のくづれ髪 あやの 新生児の揃ひの産着春の雪 文集を綴ぢる教室梅の影 待合室の本の雑然冴返る 便箋に小鳥の切り絵春近し 紅茶売る店の出窓のクロッカス 義春 六年の最後の朝礼クロッカス 湖の岸の浮舟冴返る 春の雪受けて嫋やか隅田川 山門を香りで蓋ひ夜の梅 土提の上祖母に確かめ摘む蓬 |
雨竜 冴返るタンと一打ち鼓の音 弔問の列長く伸び春の雪 病棟の零るる職や春の月 梅林や右に左に異邦人 クロッカス日向のバスの停留所 比呂志 教室に並ぶひらがなクロツカス うつすらと墓石を濡らし春の雪 一杯に五体の目覚め蜆汁 紅白梅の別れて男女坂 外までの弔問の列春の雪 武甲 灯の消えぬ合同庁舎冴え返る 離陸機の発ちてしきりに春の雪 春一番山に目覚めの時告げて クロッカス新病棟の談話室 梅が香をまとひ天神礼参り |
恵一 白梅の香りまとひて阿修羅像 ワイパーの忙しき動き春の雪 スナックのママとデュエットバレンタインデー 婚約や卓上に咲くクロッカス 冴返る頭上を急ぐ夜の雲 翠江 福は内呼ばれぬ鬼の居場所なく 勘太郎御礼言上戻り寒 赤い糸辿った先のチョコの主 束の間の夢と消ゆる春の雪 日溜りの今か今かとクロッカス |
