第141回平成20年07月26日
over 60s すぎなみきの連衆は夏の暑さにも負けず元気です
★ 竹箸の青の濡れ色川床料理
△ 読み止しの本あちこちに夏休み
・ 天井の木目にお化け夏休み
・ 乗り継ぎて列車「いなほ」の青田原
・ 川床涼み風のつまづく膝頭
幸子
★ 船下り飛沫に日傘弾ませて
・ 麦笛や手練れの老を囃し立て
・ 川床料理せせらぎに和す皿の音
・ 応援歌を歌ひて始め夏期講座
夏休み馳せし異国の山高し
良人
△ 川床囲ふ細き手摺や瀬音来る
△ 影の無き昼の校庭夏休み
△ 川床の灯の消えてなほ増す瀬音かな
・ 咲き香り初めくちなしの花二輪
朝寝からつづく転寝や夏休み
△ とうすみの風に息して漂へる
△ 川床料理運ぶ仲居の片襷
・ 茅の輪会や神話の神は象に乗り
・ 妹に虫取り指南夏休み
涼しさや正木ゆう子の貝耳輪
鴻
△ 納屋の奥より出す蚊帳の昭和の香
・ 今日もまた小魚を追ひかけ夏休み
・ 噴水の穂先をかすめ小鳥飛ぶ
夏休み宿題忘れスレ遊びけり
手作りの川床に招きて句師句友
昭雄
△ まづ風を称へつ座る川床座敷
・ 渓風も馳走のひとと川床れうり
涼しさや赤子の尻の蒙古斑
男体山に傘雲かかる夏休み
兄弟に秘密基地あり夏休み
△ 魔女のごと黄菅平を滑りけり
・ 夏休みラジオに合はせ回す腕
真夏日や古杉の根方風探す
道々に百合の香流る太平山
寺めぐりたどり着きたる氷店
一構
△ 走り根の鞍馬路越えて貴船川床
地鳴りして家具震はせる夜の秋
蓮浮葉風と遊びてまろぶ玉
渓谷の岸頭に立つ夏休み
別れにも明るき入日雲の峰
信子
・ 工作の出来誉められて夏休み
・ 仰ぎ拝す土曜の庫裡の大黒天
・ 城巡る奉仕ガイドの夏帽子
・ 明け暮れの世事を忘れて川床涼み
・ 朝行の膝を詰め合ひ出羽の夏
・ 僻村の新米医師や山清水
・ 夏休み声張り上げて論語塾
・ 浴衣着て衿の黒子も母似かな
・ 梅らつきよう漬けて人生楽しめり
亡き人の面影偲ぶ川床料理
芳子
・ せせらぎの音も一品川床料理
・ 朝顔の鉢植ゑ抱へ下校の子
・ 親と子の違ふ体操夏休み
・ 墨痕の滲むは反故にはたた神
豆絞りの手拭固く祭髪
美代子
・ 手砂して鉄棒握る夏はじめ
・ 川床の灯の水音はさみて光り合ふ
・ 象の鼻はみ出し描く夏休み
水銀柱のぼる愁や梅焼酎
きすげ咲く晴れ間うれしき霧どころ
・ 夕立や傘の配らる庭の宴
・ こどもらの声が目覚し夏休み
川床にあじわい添へし着物かな
網膜に穴を開けるよこの暑さ
夏休みこどものリズムで日が終わり
永子
・ 川面吹く風に癒され川床涼み
・ 一湾の闇に水尾引く花火船
七夕の夜更けて下す吹流し
島ひとつ子の声溢る夏休み
しなやかにくねる尾鰭や鮎の川
塩田
・ 夏休み緑の深き車窓かな
夏休み燃料高く旅細る
節約や値上がり多し夏休み
串焼きを箸でほぐして川床料理
川床や川面がきらりいと涼し
植物図鑑につもりし埃夏休み
応接の肘を枕の三尺寝
日の落ちて川床の舞妓の白化粧
夏大根噛まねば喰へぬ田舎蕎麦
花茣蓙の跡を逆剃りして目覚む