第150回 平成21年4月19日
日光中宮祠吟行
風音のゆるめば湧きて百千鳥
解禁の魚籠の姫鱒桜鱒
たたなずく雲にうすれて斑雪山
二荒の山の火明り水芭蕉
鉱毒に病みたる山の笑ふなり
信子
◎銅山の深き山襞名残雪
◎湖の日を反らし虹鱒釣られけり
○浮島の淡き影置く春の湖
・船艇の長き水尾引く春の湖
○山へ山重ねる峠春の雲
憲巳
○鱒釣の浮子の赤と黄鳶の笛
○山脈のはじまる峠遅桜
・名残り雪写して青き山の湖
・木の芽風湖畔の旅のゆば料理
・残雪や白根の山の息荒し
◎囀や湖尻に小さきお舟倉
○ひねもすの湖の細波鳥交る
○打ち返す波なみなき湖の残り鴨
・百千鳥男女相乗るツーリング
風光る湖に散らばる釣小舟
良人
○白桧曽の森の奥なる雪白根山
・春うらら湖面にかすむ奥白根
・遊覧船の残す航跡春の湖
・浅春や谷より透けて鳥の声
点々と魚釣り船や春の湖
一構
○釣り人の青き鑑札長閑けしや
・鉱害に荒れし山並春日かな
・木蓮の蕾の固き峠道
・若女将うららかなれば多弁なり
ここからも富士山が見ゆると春の雲
○男体山の裾なだれ込む湖の春
・湖に生れまた戻る風羽白鴨
芽大樹の背面の洞の深山かな
屏風岩さび銅山の遅ざくら
湖に日を釣り上げて鱒釣舟
昭雄
・吹き晴れて今男体山の芽吹かな
・吹き晴れて春男体山の峙てり
銀嶺の光峙つ奥白根
銀嶺を背に湖の広がりぬ
半月の峠足下に春の湖
登美子
・男体山の裾を広げて木の芽風
・陽の中へ釣られし鱒の網へかな
芽吹きかな青き流れの大谷川
見晴台残雪遠峰連なりて
恐竜の背なの山並春の風
・男体山の木の間隠れの春の雪
春霞墨絵の如き深山かな
釣り人や中禅寺湖に鱒はねる
春うらら中禅寺湖に浮く小舟
春霞湖畔賑はふ木々の群れ
鴻
・公魚を上げ釣人の笑顔かな
見下ろせば霞におぼろ足尾山
見上げれば雪の男体山雄姿かな
残雪のひときは多し白根山
残雪の日光連山湖青し
やはり、「下手な鉄砲も・・」ではないのですが
数を出した人が上位に並びました
それだけ、同じ時間で沢山のものを見、聞き、感じた
という証とも言えるでしょう