第247回 平成29年8月26日
兼題 羽抜鶏 祭
綿飴とソースの香り宵祭
葛の花湯の香の満てる隠れ宿
踊る様良きを嫁にと踊り唄
縄暖簾分けて残暑の中へかな
時告げる頸の筋立ち羽抜鶏
巴人
☆御旅所の寝ずの酒盛り秋まつり
・首伸ばし肩を怒らせて羽抜鶏
・先導の老禰宜老馬すすむ渡御
・鹿島だち一声高き羽抜鶏
去年ことし老いまし祭り中をゆく
比呂
△音もなく食す雲水蝉時雨
△落蝉を啄む鴉にはか雨
空耳にわが名呼ぶ声羽脱鳥
花魁草のまだ化粧前白つぼみ
祭果る余韻に浸る人残し
△水ゆらし話上手や金魚売
・旅に出て大き麦藁帽子買ふ
羽脱鳥サンバリズムを踊るやう
子燕の三羽顔出す歯科医院
残暑見舞白鳥の湖描き出す
青樹
・羽抜け鶏手負ひの軍鶏も閧を告ぐ
・火男の子を釣る踊村祭
・蹴爪見せ威丈高なる羽抜鶏
・鳳凰の尾羽の揺れて御輿行く
・万本の向日葵まつり村興し
昭雄
・羽抜鶏胸をあらはに鬨の声
・幕間の寄付の読み上げ村芝居
・目を閉ぢて吹き納めけり祭笛
・物言はぬことこそ主張羽抜鶏
影連れて祭に向かふ男の背
・木頭の統ぶる一声山揚がる
・満身に浴びる山の日羽抜鶏
羽抜鶏動けば動く己が影
父の背に眠りて帰る祭髪
羽抜鶏集落は農に明け暮れて
健
・若衆の白足袋そろひ神輿振り
・大通り埋めて浴衣の人の波
裏通り金魚すくひの子のはしやぐ
空蝉や林の中は静かなり
静かさや居場所としたる夏座敷
良人
・羽抜鳥羽根を飛ばしつ羽撃きぬ
羽抜鳥農家の庭を見回りす
足の羽根消ゆ羽抜鳥駆け抜ける
藍染の祭浴衣の姉妹行く
夕闇に祭囃子の流れ来る
・羽抜鳥しかも鶏冠の凜として
打ち様の太鼓さながら宵祭
睡蓮や時指し人をとどまらせ
水位計たたきて通る鬼やんま
裏年の酢橘もぐ手を控へけり
聖子
・ひもすがら居眠りばかり羽抜鶏
宮祭最後の見せ場梯子乗り
宮祭笛で制止の警備員
宮祭り迂回先々通行止
宮祭火吹き男に待ち笑ふ
美恵子
・夏祭り陣屋の軒の浅葱幕
祭髪背なの般若の睨みをり
神輿舁く唐草模様の枕当て
男らの蛇の目の祭浴衣かな
・一難を超えた羽ばたき羽抜鶏
振る腕に舞ひて応ふる祭髪
再発を公認大和原爆忌
秋涼し還暦過ぎて道半ば
雑草に肩を並べて姫女苑