11月例会
第308回 令和4年11月27日 Zoom句会 
兼題: 達磨忌 白菜 ふくろう



  利孟  
 白菜の山を木樽に能登の塩  
 秋気澄む千本鳥居の朱き影  
 達磨忌や立たされ坊主は窓眺め  
 白菜の樽に漬物石二つ  
 ぼけ封じ観音詣で照紅葉  
 おのづから数へ分け合ひ牡蠣フライ  
 ふくろふのほうと子供の寝る時間  

  比呂  
☆観音の胸に十字架島小春  
☆小春日や投網繕ふ鼻眼鏡  
○白菜干す古茎石を洗ひ上げ  
△ふくろふの昼の半眼禪者めく  
△診断の後の沈黙露時雨  
△達磨忌や病間に花梨の香の満ちて  
 仏壇のバーゲン勤労感謝の日  

  ミヨ  
○梟や焼き印匂ふ貯木場  
○冬日濃し反故に渋塗る古目籠  
○寄席はねて急ぐ露地裏おでんの香  
△手秤の母の塩梅白菜漬け  
△杣人のつまぐる数珠や報恩講  
 頂上や四方の山々深眠り  
 冬帽子大正ロマンの師の版画  

  信子  
○白菜の四つに割られし重さ買ふ  
△旧道に鐘無き火の見木守柿  
△梟の啼いて深まる森の闇  
△一つづつ縛り白菜育てけり  
△カピバラの柚子湯に丸き目を細め  
△白菜を割れば秘仏のごとき芯  
△小六月ゆるりと曲がる人力車  

  美恵子  
△湯治宿白菜漬けを持ち寄りて  
△白菜を山積みにして直売所  
△小夜時雨濡らす木立の家路かな  
△白菜を抱へ歩む児ぎこちなく  
△立冬や迎へ待つ間のイートイン   
△梟や帰宅メールの着信音  
 梟や塾の終りを待つ車  

  英郷  
△達磨忌や面壁趺坐の小座布団  
△梟の聲沢音に重なりて  
△梟の鈍声闇を透かせけり  
 達磨忌や通関待ちの列につき  
 白菜の四つ割り刻み炒めもの