すぎ309回 第309回 令和4年12月24日 Zoom句会
兼題: 年用意 埋み火 風花

多聞庵謹製:上総地方の注連飾り


  利孟  
 鯖を負ひいそぐ街道風花す  
 まづ煙草つけ埋み火に炭を注ぐ  
 年用意ふるさと納税あれこれと  
 日の変る頃の終ひ湯柚子香る  
 吊るし干す消防ホース寒晴るる  

  比呂  
☆やうやうに渡る吊り橋ましら鳴く  
△冬怒濤九鬼水軍の来る気配  
・白菜漬け刻み茶請けに鄙の宿  
・綺羅刷りの古今和歌集秋気満つ  
・山伏の臼かつぎ来て年用意  
・埋み火を探りきざみの長煙管  
・埋み火や弾かぬピアノの艶失せて  
・寒夕焼け波に帆柱鬩ぎ合ひ  

  ミヨ  
△那須の野の闇に崩るる狐石  
△年用意臼のすわりの土ならす  
△埋み火や帯戸五枚の仕切る土間  
 山越えの風花たまり横穴墳  
 床柱に掛け竹籠の寒小菊  

  美恵子  
△埋み火や十年日記もあとわずか  
△空濁し来て風花の純白に  
・埋み火やルージュの色を決めかねて  
・洒落紋に伊達襟を付け年用意  
 埋み火や鉢の球根掘り上げて 
 あれこれのメールの整理除夜の鐘  
 埋み火や猫に枕を貸してやり  

  信子  
△風花や丘に屋根掛け登り窯  
△風花や寺町寺の塀連ね  
・自転車の荷台に紅きシクラメン  
 愛犬の爪切りやるも年用意  
 埋み火や宿の廊下に見る夜汽車  

  英郷  
・風花や破れ障子を張り替へて  
・晴天に舞へる風花コロナなほ  
・年用意稚児の伺ふ大厨  
・埋み火に炭継ぎ炭の匂ひたつ  
・接種会場撤収見届け年用意  
 

次回予告
第310回 令和5年1月28日16時から
兼題 土竜打ち/嚔/初卯/日脚伸ぶ