第325回
令和6年4月27日 ZOOM
兼題 花筏 豆の花 若駒 夏近し
若駒の足のもつれて駆け初める
若駒の草食みてまた探る乳
七つ道具付け巡る庭夏近し
次の間に溢れて床の牡丹の香
ベランダに吊られ横目の鯉幟
大川の引波に揺れ花筏
グリーンピー絹莢豆の花は実に
美恵子
☆潤む目で跳ねては戯れて春の駒
△聖子似の友も還暦スイートピー
・年度初めの背表紙替へてバインダー
・川縁に光集めて花筏
・山椒煮の香るおにぎり夏近し
・還暦のキャンドル苺のケーキかな
・若駒や人馬が風となる日まで
△若駒の跳ね回りては立ち眠る
△豆の花出さずに終はるラブレター
△湖の風の吹きよす花筏
△大山毛欅に精霊の声春の雲
・木の芽風沼面平らに鯉の影
・長閑けしや黄のタグ揺るる牛の耳
夏近しいつしか星座組かはる
信子
△河岸に咲き溢るる桜花見舟
△ポケットの飴玉さぐり夏近し
△夕されば白濃き桜散るさくら
△訓練の楯と号令花は葉に
・貸し農園の十坪の空へ豆の花
・春駒に洗礼那須野が原の風
はや夏の日ざしと空になるらしき
みよ
△白牡丹垣をきりりと疣結び
△小流れの戸ごとの土橋花筏
△春駒の生まれ直ぐ立つ広野かな
・上がり端に置かる宅配松の芯
・燈籠の煤けた小窓白牡丹
・花筏ひろごる辺り舟入れて
・春日さす軒灯籠の仄揺れて