第328回 令和4年7月28日 19時から
兼題 お花畑 冷麦 草取り 甚平
黄揚羽の彷徨ひ花を求めをり
汁かけてほぐす冷麦農の昼
お揃ひの甚平の父子湯屋巡り
四つ這ひの手を一杯に草を引く
日光の大鋸屑山をなし氷室
我が影を追ひて離れず黒揚羽
濃き霧に沈みて震へお花畑
信子
☆お花畑過ぎ頂上へがれ場径
△甚平を着て履き慣れし下駄の音
・冷麦に胡麻の香の濃き汁添へて
・夏の朝椅子で5分のストレッチ
・甚平や市中にありて暦日無し
・草取って取って平和な我が暮らし
・梅雨明けや街路の木々に日の香り
△部活終へアイスの自販機へと群れて
△お花畑水筒ザックから出して
△草を取る道の割れ目に鎌を入れ
・野菜たつぷりの冷麦弁当昼休み
・パンダカー爺と揃ひの甚平で
・お目当ての爺の胡瓜の丸齧り
・花の名を教へ教はりお花畑
比呂
△主の無き杖の古傷日雷
△すり鉢に香る胡麻汁冷や索麺
・座布団に昼寝の赤子風を得て
・雲流る尾根八重咲きのちんぐるま
・空梅雨に魚影の薄き解禁日
・児の甚平抱く父もまた甚平着て
醜草を抜けばや早やも蔓延れる
△胸高の子の三尺や初浴衣
・プランター春大根の小さくて
・遠山の雲間にに残る雷のあと
・田舎家の田の字の間取り風炉点前
・雨乞ふや葉陰に鳴いて雨蛙
軒に干すアロエの束や医者要らず