第327回 令和6年6月29日 ZOOM
兼題 サングラス 蓮 鰻 流灯 梅雨
六巻の源氏対訳紅の花
入梅やループに重ね巻くホース
補聴器に風音ばかり蓮見舟
藍幟鰻のうの字くねらせて
エンジンスイッチ押し徐にサングラス
南無妙法と記し流灯を納めけり
焚き火して流れに晒し茹で素麺
比呂
☆今ユダのをらば掛しかサングラス
△供花絶えぬお傳の墓や青蜥蜴
△大地震の能登流灯の途切れなく
△野ざらしの番屋の竈走り梅雨
・この川を知り尽くしてや鰻筒
・田植ゑ終へ高き湯音の憚らず
・蓮の花揺らして亀の首伸ばす
☆百年を継ぎ足し煙り鰻焼く
△流灯に顔を照らされ放ちけり
△窓つたふ細き雫や女梅雨
△七色を四葩にこぼし小糠雨
・青空とビルを映してサングラス
・蓮の葉の池埋めつくし雨弾く
早朝に聞き耳立てて蓮のぽん
信子
△流燈の呼び合ふごとく瞬けり
△若者の語る野望や鰻めし
・夏至入日雨の上がりし雲の間に
・梅雨晴れや朝のサラダに色溢れ
・も一人の私は気儘サングラス
夕影に畳むひとひら舞妃蓮(まいひれん)
遠き世の蓮遠き如活けにけり
・大西日貼りつく御堂の撫で仏
・長廊の梁のがらんとつばめ去る
・風鐸のふくる音して涼しけれ
・病葉の残る青さを惜しみけり
庭木刈り込むほどの百合高し
メモ残す蓮の台の握り飯
鯖一尾とどめ刺すかに下ろす出刃
英郷
・束の間の晴間からりと桜桃忌
・梅雨の夜や電池漏れ出す置き時計
・夏至洛陽靄けむり立つ御止山
・虹立つや夕暮れ時の雲を背に
雨雲や辰巳の空の太き虹
茎残し刈らる明日葉こぬか雨
紫式部紫陽花好みが今は白