第３３１回 令和６年１０月２５日１３時 Zoom句会
兼題 十三夜 秋の暮れ 栗羊羹 時雨
金で割れ繕ふ茶碗風炉名残
秋の暮れ温き米吐く精米機
十三夜ありたけ摘んで庭の花
焙じ茶の益子の湯呑み栗羊羹
野良犬の尾の薄汚れ片時雨
薄紙をほどきてほくり栗きんとん
身をよぢり小枝をたぐり松手入れ
信子
☆捨て鐘の長き一打や夕しぐれ
△お迎への母待つ園の秋灯し
△平和像手伸べる方の後の月
△照る紅葉扉を開け放つ阿弥陀堂
△栗拾ひカフェは露天に椅子並べ
・靴底であやして開く栗の毬
秋晴れや親子リレーの徒競走
☆泥かぶり水漬くべか船秋没日
△十三夜縁に丸みてからす猫
・似て異なる双子の面輪栗羊羹
・島の灯のぽつぽつぽつり秋の暮
初時雨総身を濡らす磨崖仏
郁子熟るる言葉にならぬ児の声が
十六夜の訪ひの声低くして
ミヨ
△鶫焼く父は横座に腰を据ゑ
△秋空にアーム振り上げショベルカー
・秋の音立て道の辺の水車小屋
・竹垣の傾く藁屋初紅葉
・秋野菜１００円無人販売所
・椋鳥の声張り上げて餌を競ふ
鶏頭の種をこぼして咲きくづる
△野点傘先づは老舗の栗羊羹
△来し方を思ひ語らひ秋暮るる
・大風に揺られ芒の獣めく
・転職の君もどこかで十三夜
・窓の灯をときにうつして夕時雨
ヒール脱ぎ揃へ厨へ秋の暮れ
頬杖で捲る旅本秋の暮れ