第332回 令和6年11月30日13時 Zoom句会
兼題: 神渡し 冬霞み 返り花 大根
飴切りのとんとかとかり神送り
溜息をつけば濃さ増し冬の靄
竹に花咲けばとやかう竹の春
アパートに囲まれ青々大根畑
刈り込みの鋏の手止め返り花
亡き友の妻の名を知り喪中状
暮れ早し喇叭で降ろす日章旗
信子
☆山の陽の溢れ高原大根畑
○雲の影過る川面や神渡し
○小春日や踏んでは均し打つ饂飩
・残照の空の鴇色帰り花
・返り花日差しにふふと笑ふごと
・陶狸提げた徳利や冬霞
小春空公園周回ジョグコース
○狂ひたる方位磁石や神の旅
○神わたし沖の白波船ゆする
○煤けたる長押の羽子の團十郎
○菊人形巴義仲顔の似て
・湯治場へ渡る木の橋掛け大根
・長病みの夫の微睡み返り花
・冬霞隣の遠き片ほとり
ミヨ
○冬薔薇の切り落とす枝残す枝
○皮剥げば冬かんらんのかをり濃し
○プランターの葉牡丹押し合ふ声日日に
・冬帽子作付けあとの畝を盛り
・水仙の芽を大鉢の燻炭に
・出障子を少し開け置き月を待つ
・足温器のスイッチ弱に冬日向
○霜を踏む黒き靴跡バスを待つ
・登校の列に声なく冬霞
・骨折の卒寿の手術神渡し
・裾分けの大根リュックに通勤す
・返り花指差し数へる声のして
外厨ざくりと落とす大根葉
返り花今日一日も佳き日なり