第340回 令和7年7月26日 Zoom
兼題 百日紅、涼風、送り盆、蝉時雨、バナナ
百日紅寡夫は朱文字の比翼墓
蛮刀をふるひ伐り出し青バナナ
送り盆脚のゆるみし瓜の馬
水二立入りのポリタン富士詣で
祇園会の粽蘇民の裔なりと
のんびりと続けるラリー蝉時雨
デパートの開店涼風の中へ
比呂
☆桜桃忌首立て流れ青大将
△盆踊りかつて遠流の島にかな
△遺言書に加除の三カ所百日紅
・涼風や風鎮の房震はせて
・文化遺産となつてバナナの叩き売り
・逝きし人宛の手紙や蝉時雨
・瓜茄子湊に島の送り盆
△掌に摘む山盛りのミニトマト
△汗拭いて顔認証の受付機
△クリームとスライスバナナパンケーキ
・捩花の辺り残して草刈機
・草取りの出来栄えながめ水を飲む
・帰省子の靴の埃を拭きおいて
蕎麦たぐる窓一面の百日紅
ミヨ
△夕暮れの一際せはし蝉しぐれ
△当たり年の青梅さはす八斗桶
△バナナ一本頬張り朝の散歩へと
・並ぶ墓に水をたつぷり送り盆
・ほほづきの朱の輝ける狭庭かな
七夕やぬれ縁に置く筆硯
△蝉時雨顔に帽子の三尺寝
・風呂上がり襟抜きあたる扇風機
・千代紙の短冊乱し白雨来る
・湘南の水着で並ぶ移動カフェ
・好物の甘蕉の房を遺影へと
・せつかちな父の乗る牛送り盆
涼風や旬の幟の直売所