
2026.9.29
ワールド工芸の150形・160形・190形の製品化に協力してきたIORI工房の製品です。有名販売店で取り扱っていたので買ってみました。
過去にワールド工芸も発売していた600形(A8)ですが、まさかこの形式を他社まで手掛けるとは思っていませんでした。
これは私がキットを組み立てた過程をメモ書きしたもので、組み立て説明ではありません。
正しい組み立て方法についてはキット付属の説明書をご参照ください。

キットの内容は主に下廻り用のエッチング板と、上廻り用の光造形プラスチック部品からなります。デカールも付属しており、別途必要なのはカプラーと真鍮線(わずか)程度のトータルキットです。
エッチング板は洋白で、ナンバープレートのみ真鍮です。エッチングの様子はワールド工芸の作りと瓜二つで、切り離しのゲート形状や折り線の幅、軸受けの考え方、全体的な展開図的構造もそっくりです。同じ技術的背景をお持ちの方が設計したのでしょうか。
光造形部品はしっかり二次硬化されたものです。樹脂はやや硬めの印象です。複数の造形機材、たとえばELEGOOとPhrozenの近年の機種は使われているように感じましたがはっきりしません。

このキットの素晴らしいところは組立説明書が大変詳しいことです。
全24ページと十分なページ数を使い、手順を追ってしっかりと書かれています。紙の大きさも適切で、工作中に机に置いても邪魔になりません。
これに加えて完成後の原寸図が記載されていれば完璧かなと思います。組み立て中や最終組み込み時などに、どうなるのが正しいのかを判断するのに大いに役立つと思います。ともかくかなり理想に近い説明書でした。
組み立ては基本的に説明書の順に従いましたが、大きく工程を塗装前→塗装→塗装後にまとめ、それぞれを説明書の順に拾っていきました。
おもに主台枠の組み立てです。折り曲げ方の理解がやや難しかったところです。

はじめに説明書に記されている数か所の穴に、M1.4タップを立てました。
部品を切り離したあとでもできます。

主台枠を1枚の板から折り曲げて組み立てていきます。
90度曲げの部分は折り線(エッチングによる溝)を内側にして折り、180度折り重ねの部分は折り線を外側にして折ります。
説明書のとおり左の主台枠(部品14)から順に作業しました。まず青い部分を折り線から180度折り返して2枚重ねにしました。

2枚重ねになった部分はあとでハンダ付けして完全に貼り合わせますが、その前に90度曲げる部分(緑色の部分)を手前に起こしておきました。ハンダの回り方によっては曲げにくくなるためです。

後部の板も折り線から90度曲げました。ここは最終的にカプラー取り付け座兼、上廻りの取り付け部になります。

曲げずに残っている下部の出っ張り(緑色)を、180度向こう側(台枠の外側)に曲げて重ねました。本当は2枚重ねの主台枠をしっかりはんだ固定した後に曲げたほうがよさそうです。

わかりにくいですが折り曲げたところです。

曲げ終えたところを表側から見たところです。

視点を元に戻しまして、後部のカプラー座を180度折り曲げて重ねました。

ここで2枚重ねの主台枠を改めてしっかり折り重ね、はんだ付けして張り合わせました(ひどいはんだ付けの仕方ですが、始めに平らなところで仮止めしてあります)。
内側の丸穴数か所にハンダを流した後、重ね合わせの合わせ目にもハンダを流しました。軸受けにハンダが回らないように注意です。
ここまでに90度曲げした箇所もハンダで補強しました。

主台枠を内側の斜め上から見下ろしたところです。
底面に90度曲げた部分の残りを、さらに90度折り曲げました。ここは左右の台枠をつなぐ部分なので、正しく直角になっていないと軸受けが不ぞろいになったりします。 説明書には「ここの曲げは走行性能にかなり影響する」と注意書きがあります。とはいえ、なかなかぴったり直角にすることは難しいです。1時間粘って妥協しました。
なおこの先も、曲げたらそのつど内側にハンダを流して補強しています。

緑色の部分2箇所を台枠外側に90度曲げしました。

前端の2本棒はスライドバー、上側の穴の開いたタブはあとで合併てこが入る穴です。

外側から見たところです。
スライドバー本体を90度曲げますが、その前に先輪の軸受けを2.5mmヤスリとペーパーで滑らかにしておきました(削りこまぬように…)。
スライドバーを曲げたあとでは、軸受けにヤスリを通すのがとても難しくなります。
なおスライドバーもどこかで丁寧に磨いておいた方がよいと思います。エッチング板の断面は層状の腐食でざらざらしていることがあるためです。ちょっとした摩擦があとで影響してくるので…。

このキットの場合、そのままでもいいと思いますが、主台枠の折り曲げ部に数か所残っているつなぎの突起も平らに削っておきました。

表側から見たところです(写真左が前側)。
これで主台枠(左)は一応完成です。ほとんどただの折り曲げですが、最もボリュームを感じた工程でした。
流水洗いしたあと水につけておき、何度か水を換え、さらに洗いました(2枚の板の間にフラックスが残っていたりしますので)。

右の主台枠(部品13)を半分に折って貼り重ねました。

この面が車体の表側になります。

左右にひっくり返しました。主台枠(左)と同様、裏側に丸穴があるので、ハンダを流して貼り合わせました。

下側の出っ張り180度山折りし、表側(写真ではこの裏面)に折り返しました。

またひっくり返して表から見たところです。
上に飛び出した穴の開いた部分と、前端のスライドバー取り付け部を折り線の溝を谷折りにして直角に曲げ、ハンダで固定しました。

先輪の入る軸受けをヤスリで軽く整えてから、スライドバー本体を90度曲げました。
なおほかの軸受けはあとでもヤスることができます。

スライドバーを曲げたところです。折り目の内側にはハンダを流して補強しました。また上下のスライドバーは磨いておきました。

出来上がった右の主台枠です。
水洗いしておきました。

全体の歪みがないか確認するため、左右の台枠を手持ちのM1.4ネジで仮止めしました。
最終的には間に紙ワッシャーを挟んでプラネジで固定しますが、プラネジは傷みやすいので今の段階では金属ネジを使っています。

軸受けに車輪をはめて、がたつきがないか、スムーズに転がるかを確認しました。

前カプラーの取り付け座(部品16)の1片(フチに半円形の切り欠きがあるほう)を180度曲げて2枚重ねにしました。

もう1片は90度折り曲げました。

折り線をハンダ補強しました。
一度洗いましたが、小さいので流しに流しそうになって緊張しっぱなしでした(過去幾多の部品を飲み込んだ排水口)。

主台枠(左)の前端にM1.4x2mmネジで留めました。ここはカプラー座になるほか、上にボイラー缶台が載るので傾き調整も必要になります。
最終組込み時でないと水平の判断はしにくいので、一度外しておきました。

部品8を使って左のクロスヘッドを組み立てました。
クロスヘッドはエッチングの突起でメインロッドを裏表から挟んで留める方式になっており、ピンのカシメ作業は不要です。
この写真では一番左の1辺だけが表側に見える面です。

前の写真の部品を左右に裏返し、一番右の1辺を180度折り重ねて張り合わせました。ここも、この先も、余計なところにハンダが流れないように細心の注意が必要です。

折り重ねた側の面を仮にA面と書いていますが特に意味はないです。ここが表側に見える面です。
さて、ピストン棒中央に折り線の溝があるので、そこからB面を180度山折りして裏側に重ねていきます。
…が、間にメインロッドを挟みますのでまだ完全には重ねませんでした。

メインロッド前端をザラつかない程度に磨いてからクロスヘッド内側のピンに合わせて置きました。

クロスヘッド表側を完全に折り重ねました。

クロスヘッドを折り重ねたら、ピストン棒など安全なところに微量のハンダを流して張り合わせました。
上下にできる溝はスライドバーと摩擦する重要部分なので、ハンダで埋まらないよう死守し、磨いておきました。
そのほか、あとで謎の動作不良を起こす可能性がある箇所はすべて磨きました。

一度スライドバーに通してみて、滑らかに往復運動できることは確認しました。

バルブギヤの揺リンク(部品20)もクロスヘッド同様、エッチングの突起でメインロッドを挟み込む構造です。
部品20の端の突起に合わせてメインロッドを置きました。

リンクを中央から180度折り曲げてメインロッドを挟みました。
なお説明書ではリンク中央の折り線が内側になるように画かれていますが、私の買ったキットの部品は逆のようでした。ただ、私の解釈違いかもしれません。

微量のハンダで裏表を貼り合わせたら(メインロッドまでハンダ付けしないよう緊張します)、つなぎ目の余分な部分をカットしました。

ここもあとでいくつかの部品と摩擦しますので、引っかからないように磨いておきました。

他にも部品の取り付けはありますが、ハンダ付けを伴う作業はここまでなので、いったんここで区切りました。