イメージ画像

ホルモン分泌と生理周期

プレ更年期に起きる3つの体の変化

プレ更年期には3つの特徴的な変化があらわれる

女性ホルモンは脳の指令で卵巣から分泌

生理とは、そもそも卵子が受精・着床せずに妊娠しなかったときに起こる、子宮からの出血。生理こ至るまでの流れを、排卵に注目してみてみましょう。
生理のしくみの司令塔は、脳の視床下部。生理が始まるとそのすく下の下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌が増えます。それが血流に乗って卵巣に届くと、卵子の周囲に卵胞が育って「エストラジオール」( 卵胞ホルモン。女性ホルモンのエストロゲンのなかでもっとも作用の強いもの)をつくります。これが子宮に届くと、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなります。

生理周期の中で女性の体は常に変化

卵胞が充分に大きく育ってエストラジオールの値がピーになると、脳下垂体からLH(黄体化ホルモン)が一気こ分泌されて卵胞が破裂し、卵子が押し出されて排卵が起こります。
破裂した部分をふさぐようにして黄体といかたまりがつくられそこからもう1種類の女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。
これが子宮内膜の厚さを維持するのですが、排卵後2週間たっても妊娠しない場合は黄体がしぼんでプロゲテロンが分泌されなくなるため、子宮内膜がはがれて出血し、生理が起こります。このようなしくみが順調に働ことで生理が周期的に起こり、日々分泌量が変わる女ホルモンによって、女性の体は変化するのです。

プレ更年期に起こる3つの変化

特に意識しなくても元気に過ごせた性成熟前期までと女性ホルモンの急激な低下により体調が大きく変化する更年期。そのちょうど真ん中にあるプレ更年期には更年期とは異なる3つの変化が起きています。

その1 排卵がスムーズに行われにくくなる

プレ更年期に入ると、排卵の様子も変化します。性成熟前期にはまだ質のいい卵子が十分にあるため、FSHの軽い刺激でスムーズに排卵が起こります。ところがプレ更年期には卵子の数が激減して質も悪化するため排卵を起こすにはそれまでより強いFSHの刺激に必要になります。
生理周期が短くなるのもこの頃からです。このホルモンを無理に分泌しようとする「脳のがんばり」が自律神経の乱れを引き起こし、不調の一因となります。

その2 1ヶ月の生理周期の中での女性ホルモンの落差が大きくなる

プレ更年期に起こる変化のひとつは、1ヶ月の生理周期の中で、女性の心身にさまざまな作用をもたらすエストラジオールの変動が激しくなること。生理周期の中で、エストラジオールは排卵期にもっとも多く分泌されます。レ更年期の場合も、排卵直前には充分な量のエストしかし卵子の数の減少によ排卵期以外のエストラジオールの値が低くなるため、生理周期の中での変動が大きくなるためエストラジオールの値が低くなる生理前後や、逆に高くなる排卵期に体調をくずす人が多くなります。

その3 老化を自覚するようになる

生物学的に、肉体的なピークはやはり20代。プレ更年期は、少しずつ体全体の老化が始まってくる時期です。そのため睡眠不足や暴飲暴食など、体にちょっと負担をかけると疲れが抜けなかったり、肌トラブルが起きたりと、あちこちに不調を感じるようになります。
代謝が鈍くなり、安静時の消費エネルギー量を示す「基礎代謝量」も低下しているため、以前と同じ食事をしていても太りやすくなるのも、この時期の特徴。規則正しい生活をしていれば健康を維持できますが、無理を重ねると不調から抜け出せなくなってしまいます。

このページの先頭へ