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2002 F/J/Mexiko 130 Min. 劇映画
出演者
Connie Nielsen
(Diane de Monx - 産業スパイ)
Charles Berling
(Hervé ELe Millinec)
Chloë Sevigny
(Elise Lipsky)
Gina Gershon
(Elaine Si Gibril)
Jean-Baptiste Malartre
(Henri-Pierre Volf)
Dominique Reymond (Karen)
Edwin Gerard
(Edward Gomez)
Abi Sakamoto (Kaori)
見た時期:2002年8月、ファンタ
これを見るかキューブ 2 を見るか決めるのに苦労しました。結局キューブ 2 は英語、デーモンラヴァー はフランス語で、ドイツで公開される可能性はキューブ 2 の方が大きいと踏んでデーモンラヴァー に決めました。実はこの予想は全く外れたのですが、そんな事はどうでもいいです。
この作品自体は感じの悪い映画だなあという印象で終わりました。ただその次に見たアレックスと比較ができたのは良かったと思います。
日本でも公開が予定されているそうなので、完全なネタばらしはやめておきます。話の中心になるのはフランスの会社。この会社は業務拡張のため、日本のセックス・アニメ制作会社と契約をし、配給権を取ろうと画策します。同時にアメリカの会社ともセックス暴力フィルムの契約を結ぶところ。両方とも法律をぎりぎりの所で違反しない程度の、成人の客層を狙った商売です。このアメリカの会社には合法的な仕事の他に非合法なフィルムも扱っているという噂があります。フランスの会社にはライバル会社からの産業スパイが入っているほか、社内でも同僚の間のライバル意識が頂点に達していて、爆発寸前です。
とまあ、こういう出発点から始まる陰湿な争い、暴力の話です。意地の悪さはカトリーヌ・アルレイの国ですからお手のもの。ちょっと趣向が違うのは、そういうどろどろした筋をモダンなセット、あっさりしたお化粧の女性たち、明るい白に近い色調で出している点です。人間の命を軽く見、女を適当に争わせて仕事に利用している男、セックスが金になるということなど醜い現実を視覚の美しさで包んでいます。悪いのは男だけかと思うとそうでもなくて、したたかな女が何人も出て来ます。見終わって後味が悪いなあと思いました。アルレイが脚本を書いたのかと思わせるような結末です。
主演のコニー・ニールセンは今年のファンタに2度登場。もう1つは作品としての出来が良かったストーカー。しかし彼女の演技は淡白過ぎて、印象に残りません。デーモンラヴァーでは反対にこの透明とも言える淡白さが監督の好みだったようで、全体の印象にマッチしています。そんな人がこの世に存在したか、と今にも忘れられてしまいそうな状況で見せる不安な表情が生きています。
日本人が出て来るシーンもありますが、演技を争う作品ではないので、コメントするような内容はありません。フランス語ばかりかと思いきや、国際的な事業計画ということで英語が結構多く、日本語も時々。それにしても130分はちょっと長過ぎます。100分ぐらいに収められるのではないかと思います。
後記 1: なぜこんな作品を作ったのか分からないと上の記事でぶつくさ言っていました。そしてなぜメキシコがこの映画に絡んでいるのかも分かりませんでした。ところが9月後半に入って、英国の放送局のレポートが入りました。メキシコでかなり長期間にかなりの数の髪の長い女性が誘拐され、殺されるという事件があり、現在も未解決なのだそうです。犠牲者は現在も出続けているそうで、それを取材した人が証人をみつけています。その女性の話だとひどい状況でひどい扱いを受けている女性たちがおり、それをカメラで撮影している人がいたということです。放送局の推測ではこのフィルムで金を儲けている団体があるらしいということです。捜査は非常に難航しているそうです。(現実のニュースの続きはこちら)
後記 2: まさにメキシコのこの事件をモデルにしたのではないかと思える劇映画も超有名俳優主演で作られました。
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