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1967 - 2002
F/D/D-West/Belgien/I
68 - 109 Min.
9作
アニメ 7 作品
(Albert Uderzo,
René Goscinny)
1本だけ見たかも知れませんが古い話なのであまり覚えていません。見たとすれば恐らく Astérix et Cléopâtre でしょう。
2002 F/D 107 Min. 劇映画
出演者
Gérard Depardieu
(Obélix - 村の巨石職人、ストーンヘンジのような物を作る職人)
Christian Clavier
(Astérix - 村の英雄)
Monica Bellucci
(Cléopatre - シーザーの愛人)
Jamel Debbouze
(Numérobis)
Claude Rich
(Panoramix / Miraculix - 村の漢方医)
Alain Chabat
(Jules César - 村の宿敵)
見た時期:そのうちに見る予定
1999 F/D/I 109 Min. 劇映画
出演者
Christian Clavier
(Astérix - 村の英雄)
Gérard Depardieu
(Obélix - 村の巨石職人、ストーンヘンジのような物を作る職人)
Gottfried John
(Jules César - 村の宿敵)
Roberto Benigni
(Lucius Detritus / Tullius Destructivus - シーザーの部下、撹乱工作員)
Michel Galabru
(Abraracourcix / Majestix - 酋長)
Marianne Sägebrecht
(Bonnemine / Gutemine - 酋長のかみさん)
Claude Piéplu
(Panoramix / Miraculix - 村の漢方医)
Pierre Palmade
(Assurancetourix /Troubadix - 村の楽師)
Jean-Roger Milo
(Cetautomatix / Automatix - 村の職人)
Jean-Jacques Devaux
(Ordralfabetix / Verleihnix - 村の魚屋)
Laetitia Casta
(Falbala - オベリックスの憧れの女性)
見た時期:ついに見ました! 2005年6月
フランスとドイツの関係というのは長い歴史です。複雑というわけではありません。隣同志なのでいつも仲がいいというわけでもありません。現在はと言うと割に仲良くやっています。
ずうっと前フランスはイタリアの一部で、ローマ人に支配されていました。その頃からフランス語は正しくはロマンス語系と言うのですが、ラテン系の言語に属し、ドイツの方はゲルマン系の言語に属しています。お互い全く関係が無いのかと言うとそうでもなく、その前のインドゲルマン語という言語の段階では同じ祖先を持っています。このインドゲルマン語という言い方は人口に膾炙していますが、東のインドはいいとして、西の方はドイツを越えてさらに西の地域もカバーしているので、最近ではゲルマン語という言い方をやめて、インド・ヨーロッパ語という言われ方をします。
当時ローマ人に支配されていたフランス人、その中でも大陸の欧州人でなく、ブリテン島から渡って来たブレトン人は全世界を支配しているような態度のデカイローマ人に逆らっており、小さな村だけは独立していました。この辺の経緯はアステリックスという漫画に詳しく載っています。
アステリックスは日本では双葉社という出版社から3冊ほど出版されましたが、どうやら売れ行きが悪かったらしく、その後市場から消えてしまったようです。この漫画は元々フランスから出版されていました。ドイツでは非常に評判が良く、共同執筆者の1人が事故で死んでしまったり、会社の経営が危なくなった時にはドイツが肩入れしていたそうです。とにかく現在も本編だけでなく、カレンダー、別冊号などが10を軽く越える言語に翻訳されて売られています。バックナンバーも廃れることがなく、元気にかんばっています。
外国語で漫画を見るのはしんどいという方々のためには、アニメ版や、ジェラール・デパルデュー、モニカ・ベルッチ、ロベルト・ベンニーニなどが出演している映画が何本かあります。
フランスというのは欧州の中では漫画先進国で、かなり前から日本の漫画も入っています。自国の漫画がその前伝統を作っていたので、日本の漫画に移るのも他の EC 諸国に比べスムーズだったようです。
アステリックスというのはこの漫画の主人公の名前で、サザエさん他長く続く漫画によくあるように、おなじみのメンバーというのがいます。アステリックスは村の英雄だというだけで職業はありません。親友のオベリックスは石切り職人。他に村の酋長夫婦、村の長老で薬草に詳しい、漢方医のような白髪のおじいさん、腐りかけの魚を売るので評判の悪い魚屋、その魚屋を殴ろうといつも構えている鍛冶屋、今から2000年も前に前衛音楽を始めたため、口を開くとすぐ猿轡をされて木に縛り付けられてしまう村の楽師などがレギュラーで登場します。読者はすっかり自分もこの村で育ったような気になります。
主人公のアステリックスとオベリックスの先祖は英国から渡って来たブレトン人で、ストーリーの中ではガリア人と呼ばれています。ゴロワーズというタバコで有名な羽のついたヘルメットをかぶっています。このガリア人が抵抗運動をしていたのはシーザーの活躍中で、今から約2000年前の話。(シーザーもストーリーのレギュラーメンバー。それでか劇映画2作目は監督自らがシーザーの役を演じています。)その後いろいろありまして、結局ローマ人は衰退。現在のフランス人はですから、そのローマ人の末裔だったり、ガリア人の末裔だったり、また他の地域から来た人だったりとさまざまです。
陸続きなのでその後ゲルマン人が羽振りのいい時期などもあり、行ったり来り、攻めたり、攻められたりということがあったり、また長い間静かだったりと、いろいろいきさつがあり、1番最近対立したのが第二次世界大戦という具合です。
両者の関係はと言うと、おおむね長い歴史と文化を誇るフランスは誇り高く存在し続け、新参者という意識の強かったドイツが心密かにフランスの文化に憧れるという形になっていると言えます。語源学などを探ってみると両国の単語には相手を見下したような言葉も時々見られるのですが、ドイツがフランスに憧れの気持ちを抱いているという力関係は数百年続いているようです。
ドイツはしかしフランス人が窮地に立った時に助け舟も出しています。ドイツ語でフーゲノーテ、日本の歴史の授業ではユグノーという名前で登場するカルバン派の新教徒がカソリック色の強いフランス国内で弾圧の危機に瀕した時にはドイツ移住に青信号を出し、保護しています。その影響でドイツ語、ベルリン語にはフランス語の文化と単語がたくさん入って来ています。
現在はというと、やはりフランス文化の評価は高いままです。香水、ワイン、チーズ etc.ファッションなどでは最近イタリアの活躍も目覚しく、フランス一辺倒ではありませんが、だからと言ってこれまで評価の高かった物が低くなったという話も聞きません。
そういう中で不思議なことに映画だけはフランスはあまりドイツで成功していません。
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